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第二次世界大戦期の死者数に関する報告書に関して

2010-02-01 | ラジオ
今年終結から65周年を迎える第二次世界大戦の勝利に際して、ソ連国民が払った対価はどれほどのものだったのか、ロシア国防省は近く大戦期の死亡者に関する電子データーベース作成を終え、5月9日の戦勝記念日に発表することになる。
専門家の分析や政府の承認を経て公式文書として認定される。

ソ連崩壊後、第二次世界大戦の死者数に付いて諸説流れ、一部は書籍やテレビ番組、新聞などで何度も引用されてきた。
すでに歴史的な事実として、人々の意識の一面をなしている。
当時の赤軍が全く効果的な戦いをしていなかったという考えもある。
そのために犠牲者はドイツ軍を遥かに上回り、敵一人を殺害するのに3人5人或いは10人もの味方が亡くなってしまった、そんなデータがある。
ドイツ軍の犠牲者は500万人強ですから、数千万人の赤軍兵が戦場で散ったことになる。

一方、国防省で戦没者の慰霊事業を手がけているキリリン少将は、別の歴史的事実を語る。
「戦士の死が数千万と言うのは有り得ない。戦争が終結しても帰ってこなかった兵士は1100万人を少し上回る程度で、また200万の捕虜が祖国への帰還を果たしている。
ですから1100万からこの200万を引いて考える必要がある。
そうなると900万だ。また軍人も含めて占領地域で消息を絶った人々も居る。
彼らのなかには後に軍隊への召集をかけられた人々も居る。
ですから全てを考慮すると犠牲となった兵士は、886万6400人となる」
国防省で戦没者の慰霊事業を手がけるキリリン少将は、この様に発言している。

一方でドイツ軍の統計にも穴がある。
それは(???)部隊の一員として戦った衛星国の国民達のことだ。
ハンガリー、フィンランド、ルーマニア、イタリア、オーストリア国民がソ連軍と戦い、また一部は死亡した。赤軍が殺害したのは約100万人と見られている。
そのため統計を修正すればソ連と敵との間では(ろれつが回っておらず)半数の兵士が死亡したことになる。

関東軍兵士はなぜシベリアに抑留されたのか―
米ソ超大国のパワーゲームによる悲劇


エレーナ カタソノワ
社会評論社


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「自分達を貶めて考えることはないだろう。我々は偉大なる勝利を収めた。
最強の敵を相手にした厳しい戦いだった。彼らに勝利した騎士達の名誉は大きなものだ。初期の犠牲者は正当化できないほど大きいかも知れない。
しかし情勢はだんだんと変わっていった、そしてソ連軍が侵攻したことで今度はナチス側か厳しい状況に陥ったのだ」
キリリン少将は、このように発言している。

第一次大戦期の死亡したソ連国民は、全体で2660万人に上ると言われている。
つまり一般市民の死者が軍人の2倍に達するということだ。
ソ連の非常に多くの人民が、自分の命を賭けた。
そしてもしこの戦争が敗戦に終わっていれば、より多くの対価を支払うことになっていただろう。

(???)は男性アナウンサーの粗末な喋りで聴き取れず

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1月17日放送 ロシアの声・週刊ラジオ展望