1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

東アジア共同体構築を国家目標に掲げる日本

2010-02-10 | ラジオ
日本の政治の重要課題の一つに東アジア共同体の構築がある。
これは日本の鳩山首相が衆議院本会議で行った、施政方針演説に盛り込まれていたものだ。
鳩山首相は東アジア地域の各国に対し、EUをモデルに進化した協力関係に基づいた統合を呼びかけている。
この話題に関連してロシアの声の記者は、次の様にまとめている。
東アジア共同体構想は鳩山首相の持論とされるものだ。
鳩山氏は首相就任直後の昨年9月、日本の国家目標として共同体の構築(?)を提唱した。

首相就任前には『私の政治哲学』と名付けた論文を執筆し、当時この論文はアメリカで批判的な反応を呼び起こした。
この論文のなかで鳩山氏はイラク戦争の失敗と金融危機によって、アメリカ主導のグローバリズムの時代は終焉し、世界はアメリカ一極支配の時代から多極化の時代に向かうだろうと感じていると述べた。

これに関連して鳩山氏は自国の外交政策に変化をもたらすと約束し、とりわけアメリカとは対等な関係に達すると言及した。
一方でこれに対するアメリカの憂慮は、無駄であったことが明らかになった。
何故なら鳩山氏が政権に就いてからのこの5ヵ月の間に、首相の理念には幾つかの修正が施されたからだ。
現在首相は東アジア共同体実現の前提として、揺ぎ無い日米同盟は欠く事が出来ないと語り、この日米の安全保障体制は日本の国防のみならず、アジアそして世界の平和と繁栄にとって、欠くことが出来ない存在だと言及した。

しかしこれより前に専門家らは、鳩山氏の論文に対しコメントしたなかで、日本は今後も長くに亘って、アメリカの顔色を伺うことは止めないだろうとの予測を示した。
ロシア科学アカデミー日本研究センター所長は、東アジア共同体に関して、仮に誕生したとしても随分、後のことになるだろうとの考えを表し、
さらに次の様に語っている。
「先ず東アジア諸国の経済レベルには余りにも大きな差がある。
また政治システムにも非常に大きな違いが存在している。
民主主義のレベルも異なり価値観も様々だ。
そのほか鳩山氏はユーロのような、アジア共通通貨の創設も提唱している。
これはさらに遠い目標だと考える。
アメリカに対する東アジア共同体への引き込みに関しては、当初はアメリカが共同体に参加すること計画していなかった。
何故ならアメリカは東アジア諸国ではないからだ。
一方でアメリカは東アジア共同体のようなものの構築を、それほど歓迎してはいない。

アメリカはこれにおいてアジア太平洋地域における、自国の経済、軍事、政治、防衛などの役割が縮小すると考えている。
ですからアメリカは東アジア共同体構築に対して強い懸念を表し、日本側はアメリカの参加を拒否することが出来なかったのではないかと思われる」
ロシア科学アカデミー日本研究センター所長は、この様な見解を示している。

鳩山首相は施政方針演説の中で、隣国との二国間関係に付いても言及している。
中国とは戦略的互恵関係の充実を挙げ、北朝鮮とは核ミサイルといった諸問題を包括的に解決するとし、ロシアとはアジア太平洋地域におけるパートナーとして、協力を強化するとの意向を表している。

(?)は聴き取れない

東アジア共同体をどうつくるか (ちくま新書)

進藤 榮一
筑摩書房


このアイテムの詳細を見る

1月30日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル