ラジオ・タイランド（11月1日放送)

●タイ国有鉄道の労働組合が民営化に反対し、2日間のストライキを行なった。
　今回のストライキは11月1日より執行される、日タイ経済連携協定の施行に
　伴い、タイ国有鉄道が民営化されるとのことから、それに反対する労働組合
　により、10月30日と31日の2日間行なわれていた。
　タイの国営企業ではストライキが禁止されているため、鉄道職員は一昨日い
　っせいに病気で休んだり職場を放棄する形で列車を止めた模様。
　南部のナコーンシータンマラートの駅から始まったストライキは、労働組合か
　ら全国の鉄道職員へ呼びかけがあり、31日にはバンコクでも鉄道がストップ
　した。

　このストライキの事前通知が無かったことから、通勤や通学の乗客約2万人
　の足に影響があり、貨物などの運搬にも支障が出た模様。
　南部国境のナラーティワートの駅では、立ち往生している乗客に代替用の輸
　送バスを提供するなど、その対応に追われた。
　タイ国有鉄道取締役会長は日タイ経済連携協定後も、従業員を解雇する予
　定は無いとし、民営化するとの計画を否定している。

　労働組合組合長は、国有鉄道路線を民間の鉄道会社に貸し出す計画に不
　満を表明し、計画の撤回のほか鉄道網の見直しなどを求めていた。
　しかし要求に対する答えが得られないとし、労働組合がストライキを11月1日
　にも行なうと示唆していたため、事態を重く見たタイ国有鉄道は労働組合側
　との話し合いに応じた。
　話し合いは約5時間にも及んだが、昨夜遅く労働組合は1日のストライキは行
　なわないと発表し、3日目のストライキは回避された。
　取締役会長は民営化計画を強く否定し、路線の貸し出し計画も見直しのほか
　空港へのエアポートリンクプロジェクトの見直し調査など、労働組合からの要
　求を呑んだとしている。

　タイ国有鉄道は鉄道総延長4300キロで、職員数は2万6千人となっている。
　低価格運賃のため慢性赤字になっており、2006年の3月末で累積赤字349億
　バーツにも上り負債総額は669億バーツを抱えている。

折れたレール―イギリス国鉄民営化の失敗 クリスチャン ウルマー,Christian Wolmar,坂本 憲一 ウェッジ このアイテムの詳細を見る

●南部国境沿いのナラーティワート県の、教師400人が異動を希望している。
　ナラーティワート県教育委員会委員長は、ここ数年毎年400人以上の教師が、
　異動の希望を出していることを明らかにした。
　異動希望する教師の内、約20人から30人は希望した学校への異動が認めら
　ているとしている。しかし2年間の契約があり、それにより異動の希望が叶えら
　れない教師が多くいることから、委員長は教師達が落胆するかもしれないと懸
　念を抱いている。
　
●タイ中央銀行総裁は、来年の経済は充分に拡大するとの確信を表明した。
●海外貿易局はタイ米の輸出は、目標達成が確実だと発表した。

●タイ高速道路および高速輸送公社は、スワンナブーム国際空港の南側入り口
　を工事の為閉鎖している。
　タイ高速道路および高速輸送公社は、有料道路との接続工事の為スワンナブ
　ーム国際空港と、国道34号線の間を11月3日まで封鎖している。
　封鎖時間は毎日夜10時から朝の5時までとなっている。昼間の運行の便には影
　響はないと見られているが、夜10時以降の深夜の便には少なからず影響があ
　るとし、道路公団ではこの時間の空港への乗り入れは、迂回道路の使用と空港
　に向かう有料道路に入る前に、バングチャローン道路でUターンするよう呼びかけ
　ている。
　また道路公団は職員を派遣し、交通整理に当たらせている。
　封鎖時間の夜10時から朝5時までは、タイから日本へ向かう便が集中しており、日
　系の飛行機会社は日本へ向け出国する乗客には、空港への交通に注意するよう
　呼びかけている。