1010 Radio

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緊迫化するグルジア情勢

2007-11-10 | ラジオ
グルジアでは非常事態令が発令された。これに伴い集会や街頭行動が禁じ
られ、多くの報道機関や野党の政治家、ジャーナリストの活動が制限されて
いる。
これに関連してロシアの声の記者は、次のようにコメントを寄せている。
今回の非常事態令はグルジアの首都トビリシで、サーカシビリ大統領の辞任
と憲法でうたわれている期限内での議会選挙の実施、政治犯の解放を要求
するデモが実施されたことを受けて発令されたものだ。
警察はデモ参加者に対し棍棒、ゴム製の弾丸などを使用し、その結果数百人
が病院に運ばれた。
現在のところ被害者の数は不明となっている。

今回の事態はその規模からして、グルジアで異例のものとなった。
国際的な人権団体ヒューマン・ライトウォッチをはじめとする、幾つかの国際機
関は一般のデモ参加者に対し武力を行使した事は違法であると指摘している。
サーカシビリ政権は弾圧的な措置により、政権に不満を表わす抗議行動を制
圧しようと試みており、人々は社会政治構成を失敗に導き国民を貧困状況に
落としいれ、人々の権利と自由を無視した政府に対し抗議の声を挙げている。
このように国民の抗議の動きが広がった。
グルジア政府はこのロシアをはじめとするとする、外国のエージェントにより外
からの陰謀だと解釈する傾向にある。
国民に向けてのサーカシビリ大統領のTV演説のなかでもこうした内容があっ
た。

一方ロシアのラブロフ外相は、グルジアの状況に注意を向ける必要があるとの
見方を示し、次のように語っている。
「グルジアの状況に付いて詳しくコメントしたいと思わないが、これはグルジア
の内政問題であり、グルジア国民の問題だ。しかし我々にとってこのことは無
関係なものではない。
私達が無関係でいられないのは、先ず第一に現在の危機的状況が南オセチア
とアブハジア紛争の調整をめぐる交渉プロセスを中断させようとする、グルジア
指導部の閉塞的試みを伴っているためだ。我々は国際社会と共に国連安保理
や欧州安保協力機構を通じて、グルジアがこの紛争を調整するために武力を行
使しないことに付いて調停を取り決めようと、すでに長い間試みている。
しかし毎回頑固とした拒絶が返ってくる。グルジアには紛争を武力で解決しよう
と考える勢力もあるが、ロシアは紛争調整プロセスに参加する者として、その事
が無い様全力を尽くしている」
ラブロフ外相は、この様に述べている。

グルジアでの緊張状態はカフカース地方情勢を、緊迫化させる(?)を秘めているだ
けでなく、燃料安全保障にも影響を及ぼしかねない。
グルジアには幾つかの石油パイプラインが通っており、その中にはカスピ海産の
石油をヨーロッパ諸国へ運ぶバクー、トビリシ、ジェイハンパイプラインも含まれて
いる。
専門家筋はグルジアの不安定な状況が、石油パイプラインの稼動に影響する可
能性も在ると見ている。

(?)は聴き取れず

カフカース―二つの文明が交差する境界

木村 崇,篠野 志郎,鈴木 董,早坂 眞理
彩流社


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11月8日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル