前ブログで、東福寺塔頭の「芬陀院」の雪舟の庭を紹介しましたが、つづいて、「光明院」の波心の庭をご紹介します。光明院は、東福寺塔頭の一つで、明徳2年(1391)、金山禅師によって開かれた古刹です。こちらは、大きな案内板などが出ていないので、見落としがちですが、紅葉の名所として知られています。
東福寺の日下門の前に案内板(写真左上)が出ています。門を目の前にして、右へ3分ほど歩くと住宅地の間に「必ず」あります。実は何度か行こうと思いながら、途中の道にに案内板がないので、間違えたかな?と引き返したことがあります。東福寺山内の境内案内図をよーくみてから行きましょう。
拝観料は志納となっています。パンフレットなどはありません。
ここは、別名「虹の苔寺」とも呼ばれ、苔・紅葉が美しいことで有名です。方丈の庭「波心(はしん)庭」は、昭和期に、重森三玲氏が24年かけて作庭したものです。池泉式枯山水庭園で 白砂の洲浜型曲線で枯池が描かれ、苔の中に多くの石が配されています。
池の中に、三尊石組が置かれています。三尊石は、釈迦三尊・阿弥陀三尊・薬師三尊を表し、それぞれの三尊石から、お寺の名前にちなんだ「光明」が発するように、大小75個の石が直線的に置かれているそうですが・・・。
三尊石を仰ぎ見るように置かれている多くの石は、羅漢(聖者)とされ、背後のさつきやつつじは、雲紋のように刈り込みされています。(ドーナツを思い出してしまった・・・すいません。)鉤(かぎ)形に建てられている本堂や書院、どの場所からも庭を鑑賞できるようになっています。軒先で眺めるもよし、障子を額縁に見立てて眺めるもよしです。紅葉の季節と違い、参拝者が少ないこの季節は、のんびりできます。
「波心(はしん)」と名付けられたお庭・・・波立つ様子か?波静かな様子か?見る人の心によって違うのかな?この日は穏やかな波のように感じました。
光明院 京都市東山本町15-809 8:00~日没まで
東福寺周辺の様子は【カテゴリ】にて。