先日、東福寺の塔頭のひとつ「芬陀院(ふんだいん)」を訪ねました。後醍醐天皇の元亨年間(1321~1325)に関白だった一条内経(うちつね)公が、東福寺の開山である聖一国師の法孫にあたる定山祖禅和尚を開山として創建され、一条家の菩提寺となっています。
ここの南庭は、雪舟の築造とされています。雪舟が少年時代を過ごした備中(岡山)の宝福寺は東福寺の末寺で、雪舟が本山に参った際には、芬陀院に起居していたそうです。当時、大檀徒であった一条兼良の所望をきっかけに雪舟が作庭することになったそうです。雪舟の少年時代に涙で鼠を描いたという逸話がよく知られていて、兼良はそれを思い出し、雪舟に亀を描くことを所望されました。(なんで、亀???)
ところが、依頼されても雪舟は、なかなか筆をとらず、やがてある日、庭に出て砂を整え、石を動かし始め、数日後には立派な石組の亀を作ったそうです。その夜、庭先で異様な物音がするので不審に思った和尚が、障子の隙間から庭を覗くと、石組の亀が手足を動かして這っていたそうです。(@Д@;)不安になった和尚が雪舟に、対処を依頼したところ、雪舟は、亀の甲に大きな石を載せて押さえたため、以後亀は動かなくなったそうです。・・・なんだか、亀さんかわいそうですね。(^^;)
庭を眺めながら、お抹茶をいただきました。(500円)亀さんは、庭の正面から見るとわかりませんが、後ろ姿(写真上)を見ると、今にも動きだしそうな感じがします。それにしても大きな亀さんですねぇ。
芬陀院は東福寺の中門をくぐったところにあり、通常公開しています。すぐ近くに、先日、桔梗の庭(特別公開)をご紹介した天得院があります。
拝観料:大人300円 小人200円
東福寺周辺の様子は【カテゴリ】にて。