(国立公文書館を利用してみました)
昨年(2021年)は、国立公文書館でBC級戦犯裁判の行政文書を読むことをはじめました。
国立公文書館というところには足を踏み入れたことがなかったので、入館までに勇気が入りましたが、利用してみると、図書館みたいなものです。セキュリティが普通の図書館よりは厳しいですが、本人確認をするだけなので、運転免許証があれば問題なく入れます。閲覧するだけなら、利用料もいりません。
図書館と違うのは開架資料がないことです。資料が陳列されていないので、開架資料を見て、それを手に取るということができません。
目的の資料を請求して初めて資料に接することができます。
ここが普通の図書館と違って、ハードルが高いところです。
(国立公文書館の戦争犯罪裁判資料)
国立公文書館には、平成11年度に法務省から戦争犯罪裁判に関係する次のような資料が移管されています。
(1) A級極東国際軍事裁判記録・A級極東国際軍事裁判速記録
(2) A級の記録関係,日誌,新聞切り抜き資料等,極東国際軍事裁判資料目録,豊田・田村裁判記録
(3) A級極東国際軍事裁判弁護関係資料,A級弁護研究資料,ニュ-ルンベルク裁判(独・ナチス)関係
(4) BC級マニラ裁判記録,調査表,BC級事件ファイル
(5) 厚生省移管資料(A級裁判,BC級裁判,復員援護関係等資料)
(6) 司法法制調査部研究・調査資料,各裁判国別参考資料,戦争受刑者世話会関係資料等
「BC級事件ファイル」と一言で言われていますが、横浜裁判では起訴された事件は327件で、被起訴人員は1037人とされており、全てではないにしても相当数の事件ファイルがありますから、それだけでも膨大な数です。
国立公文書館のホームページによると、次のとおりです。
アメリカ裁判関係 514冊
イギリス裁判関係 269冊
オーストラリア裁判関係 228冊
オランダ裁判関係 442冊
フィリピン裁判関係 83冊
フランス裁判関係 40冊
中華民国裁判関係 361冊
横浜裁判は、上記の「アメリカ裁判関係」に位置づけられます。