交通事故の損害賠償請求の問題として、車椅子購入費用について、今回は考えてみたいと思います。
後遺障害が残り、車椅子が今後も必要となるという場合は、既に購入した車椅子の購入費用だけでなく、将来買換える分の費用まで請求することができます。
例えば、車椅子の購入費用が25万円であり、耐用年数が5年であるとしますと
最初の車椅子購入の年 25万円
5年後 25万円
10年後 25万円
(以下平均余命まで)
という支出が続くので、最初の車椅子購入費用だけでなく、5年後、10年後の分まで請求をすることが可能ということです。
もっともそれは、5年後や10年後に請求するのではなく、現在の時点で請求しますから、5年後や10年後には、ライプニッツ係数という係数をかけて、中間利息を引かないといけません。
この辺の理屈は少し難しいのですが、逸失利益でも同じ考えがでてきて、以前それに関して書いたことがありますので、興味のある方はそちらをご参照下さい(→こちら)。
ところで、車椅子購入費用については、自治体によっては補助がでて、自己負担分は実際の購入代金より安くなるということがありえます。
こういうときに、どの金額で請求するのかということが問題となりますが、先日自保ジャーナルを読んでいたら、この点について判断をしていた判決を見かけました。
東京地裁平成19年9月20日判決(自保ジャーナル1718号13頁)です。
この判決では、自己負担分をもとにして計算するのではなく、車椅子の購入代金をもとにして計算する。
という判断をしています。
理由としてあげられているのは
①このような公的給付を、被害者側が将来受けられるか否か、定かではない。
②この給付について、加害者に対する求償規定がない。
というものです。
障害者対策がどうなるかは、将来の政策に関わることであり、自治体や国の財政によって左右されるものですから、①は妥当でしょう。
②はちょっとお解りにくいかと思いますが、要するに、補助をしたからといって、自治体が補助分を加害者に請求できるという規定がないのだから、加害者がその分を支払わなくてもよい法律上の仕組みになっているのですよ、ということです。
後遺障害が残り、車椅子が今後も必要となるという場合は、既に購入した車椅子の購入費用だけでなく、将来買換える分の費用まで請求することができます。
例えば、車椅子の購入費用が25万円であり、耐用年数が5年であるとしますと
最初の車椅子購入の年 25万円
5年後 25万円
10年後 25万円
(以下平均余命まで)
という支出が続くので、最初の車椅子購入費用だけでなく、5年後、10年後の分まで請求をすることが可能ということです。
もっともそれは、5年後や10年後に請求するのではなく、現在の時点で請求しますから、5年後や10年後には、ライプニッツ係数という係数をかけて、中間利息を引かないといけません。
この辺の理屈は少し難しいのですが、逸失利益でも同じ考えがでてきて、以前それに関して書いたことがありますので、興味のある方はそちらをご参照下さい(→こちら)。
ところで、車椅子購入費用については、自治体によっては補助がでて、自己負担分は実際の購入代金より安くなるということがありえます。
こういうときに、どの金額で請求するのかということが問題となりますが、先日自保ジャーナルを読んでいたら、この点について判断をしていた判決を見かけました。
東京地裁平成19年9月20日判決(自保ジャーナル1718号13頁)です。
この判決では、自己負担分をもとにして計算するのではなく、車椅子の購入代金をもとにして計算する。
という判断をしています。
理由としてあげられているのは
①このような公的給付を、被害者側が将来受けられるか否か、定かではない。
②この給付について、加害者に対する求償規定がない。
というものです。
障害者対策がどうなるかは、将来の政策に関わることであり、自治体や国の財政によって左右されるものですから、①は妥当でしょう。
②はちょっとお解りにくいかと思いますが、要するに、補助をしたからといって、自治体が補助分を加害者に請求できるという規定がないのだから、加害者がその分を支払わなくてもよい法律上の仕組みになっているのですよ、ということです。