南斗屋のブログ

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無免許運転と酒気帯び運転、どちらの刑が重いか

2008年02月11日 | 交通事故刑事事件の基礎知識
 以前、2007年9月19日に改正道路交通法が施行されて、飲酒運転が厳罰化されたことを書きました(過去記事「飲酒運転の厳罰化(2007年9月19日、改正道路交通法の施行)」)。

 この改正により、
  酒気帯び運転罪は、
1年以下の懲役又は30万円以下の罰金(改正前)
→3年以下の懲役又は50万円以下の罰金(改正後)
と重くなりました。

 ところで、みなさんは、酒気帯び運転と無免許運転とどちらの方が刑が重いと感じますか。

 私が弁護士になりたてのころ(もう10年以上前の話ですが)は、
 酒気帯び運転罪は、懲役3ヶ月以下(又は罰金)
 無免許運転は罪は、懲役6ヶ月以下(又は罰金)
というのが、法律で定められた刑(これを法定刑といいます)でした。

 ですから、私は、「無免許運転の方が酒気帯び運転よりも2倍法定刑が重い」と覚えていました。

 さきごろ、事務所の弁護士が無免許運転罪のケースを扱ったので、法定刑を調べてもらったところ、無免許運転も重くなっていましたが、
 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
にとどまっており、2007年改正以降は、酒気帯び運転の方が、無免許運転よりも重いという状態になっています(2007年改正前は同じ刑だったことになります)。

 私はこのような結論になったことに、ちょっと狼狽したのですが、何度確認してもそのような結論になった(当たり前ですが)ので、法律の趣旨としては、無免許運転よりも酒気帯び運転を重く罰する時代になったのだなと改めて認識しました。

 しかし、10年前から”無免許の方が酒気帯びよりも重い”という感覚からなかなか抜け出すことはできず、今も、酒気帯びの方が重いというのは何か釈然としないままでいます。

 これは、単に頭が堅くなっただけなのか、それとも今の法律のバランス感覚ががおかしいのかどちらなんでしょうかね。



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