前回、後遺障害に伴って、自宅購入が必要となった場合、その必要性が認められれば、自宅購入費用は認められるけれども、裁判所はその金額までは認めたがらない、という話をしました。(過去記事→「後遺障害に伴う自宅購入費用」)。
その最後の方で、被害者が若い場合は、建物部分については、建替というところまで、視野に含めて損害賠償しなければならないのではないかと書きましたが、そのような請求をした裁判例を見かけました。
名古屋高裁H19年2月16日(自保ジャーナル1688号2頁)のケースは、既にした住宅改造分以外に、将来の住宅改造費用を請求したものです。
被害者側は「改造は木造家屋についての工事であるから、控えめに見積もっても耐用年数である22年ごとの改造が必要である」と主張しました。
この「22年」という数字は、木造家屋の減価償却期間であると思います。
名古屋高裁は、将来の住宅改造費を認めませんでしたが、その理由は
「家屋あるいは上記改造部分が22年ごとに改築ないし、改造が必要であるとまでは認められないから、この将来分の住宅改造費は、認める事ができない」
というもので、理由になっているのか、いないのかよくわからない書き方です。
このような歯切れの悪さは、裁判官が”確かに国税庁が出している減価償却表には、木造家屋は22年で償却するようにと書かれてはいるが、それはあくまで減価償却のためのものであり、実際に22年で改築されるというものではないだろう”という思考が働いているからかもしれませんが、もしそうだとしても、木造家屋はいつか改築が必要なのであり、その点を全く考慮しないのは、妥当ではないように思います。
その最後の方で、被害者が若い場合は、建物部分については、建替というところまで、視野に含めて損害賠償しなければならないのではないかと書きましたが、そのような請求をした裁判例を見かけました。
名古屋高裁H19年2月16日(自保ジャーナル1688号2頁)のケースは、既にした住宅改造分以外に、将来の住宅改造費用を請求したものです。
被害者側は「改造は木造家屋についての工事であるから、控えめに見積もっても耐用年数である22年ごとの改造が必要である」と主張しました。
この「22年」という数字は、木造家屋の減価償却期間であると思います。
名古屋高裁は、将来の住宅改造費を認めませんでしたが、その理由は
「家屋あるいは上記改造部分が22年ごとに改築ないし、改造が必要であるとまでは認められないから、この将来分の住宅改造費は、認める事ができない」
というもので、理由になっているのか、いないのかよくわからない書き方です。
このような歯切れの悪さは、裁判官が”確かに国税庁が出している減価償却表には、木造家屋は22年で償却するようにと書かれてはいるが、それはあくまで減価償却のためのものであり、実際に22年で改築されるというものではないだろう”という思考が働いているからかもしれませんが、もしそうだとしても、木造家屋はいつか改築が必要なのであり、その点を全く考慮しないのは、妥当ではないように思います。