リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

イースターの日曜日に思ったこと

2017年04月17日 | 日々の風の吹くまま
4月16日(日曜日)。晴れ。復活祭。イースター。昔、昔、キリスト教を広めるために、今の
オーストリアのあたりに住んでいたゲルマン人の春の女神エオストレを称える祭をキリスト
の復活と重ねて取り入れたのが英語のEasterの始まり。イースターの日曜日はクリスマス
と並んで教会に来る人がぐんと増えるとか。聞くところでは、日本でもイースターが広まりつ
つあるそうだけど、ただしチョコレートや卵のお菓子を売るイベント。去年の10月に東京に
行ったら、ハロウィンの飾り付けやかぼちゃのお菓子やデザートが溢れていてびっくりした
けど、考えたら日本ではクリスマスもバレンタインも「食べ物」が主役のイベントだから、イー
スターもその流れってことか。

イースターの行事というとエッグハント。小さい子供たちが庭や公園などで大人が隠してお
いた卵を探し出すイベントで、アメリカではホワイトハウスの庭で大掛かりなエッグハントが
ある。そのエッグハントをペンシルベニア州のある町で長年やって来た消防団が今年は中
止。その理由が「自分の子供のために(子供そっちのけで)卵をかき集める親が増えて子供
たちが楽しめなくなった」。うん、近頃はそういう「ヘリコプターペアレント」と呼ばれる親が多
いみたい。子供が失敗しないように、危険がないようにと、上空を旋回するヘリコプターのよ
うに子供に付きまとうもので、子供はBubble wrap kids(プチプチキッズ)と呼ばれる。

過保護もここまで来れば不安神経症としか思えないけど、「ヘリコプターペアレント」は、ある
意味で不安に満ちた世の中を反映しているのかもしれない。親たち自身が20世紀後半の
激変の時代に世紀末的な不安を抱えた親に育てられたのかもしれない。人類が押しなべて
何か得体の知れない妖怪に怯えている時代なのかもしれない。19世紀の妖怪が共産主義
なら、20世紀の妖怪はグローバリゼーションかな。じゃあ21世紀の妖怪は何か。あんがい
トランプでも金正恩でもイスラム国でも多様化でもなくて、物心がついたときから自分を危険
から守ってくれていた「プチプチ」が潰れることへの不安だったりして・・・。

危険なものをなくしたからって世の中が安全になるとは限らないと思うけど、他人や技術に
危険そのものを取り除いてもらった方が、自分は失敗しないし、自分の頭で考えて自分の
安全を図るより楽・・・なんて考える人が増えているとしたら、逆に危なっかしいんじゃないの
かなあ。