とのさま不経済新聞 by 雲葉

「よるのとのさま」から改題(2013年2月1日)

個人情報は意外と自分で明かしているもの

2017年01月28日 | 新聞投書から
  朝日新聞1月14日付「声」欄の投書から。投書者は東京都の23歳、大学生の女性です。


『担当者名のレシート印字は危険』

  お店で買い物をしてレシートをもらった時、接客を担当してくれた方のフルネームが印字されていると、「危険ではないか」という不安がよぎります。
  私は以前、小売店でアルバイトをしていました。その店舗では、担当者のフルネームをレシートに印字することになっていました。当初は何も感じなかったのですが、ある日、見知らぬ人からSNSで「レシートに名前があったので検索しました。バイト先の近くに住んでるんですか?」とメッセージが来ました。ぞっとしました。
  SNSは退会し、店長に事情を話して名字だけの印字にしてもらいましたが、不安が去らず、長くは勤めませんでした。
  接客内容に責任を持たせるため、不備があった時に誰が担当したか確認するためという理由は分かります。しかし、店側だけ分かるように番号を担当者に割り振り、その番号を印字する方法もあります。
  従業員のプライバシーを守り、安心して長く勤められる環境づくりは大切な取り組みだと思います。店長さんや企業の担当者の方、ぜひ検討をお願いします。
(引用終)


  単刀直入に申しますと本名でSNSを行なってた時点で自分から公表しているわけです。ではそれがなぜ当人と結びつけられたのか。ツイッターでもそうですが自宅近所の写真とか窓からの景色などを出している人は少なくありません。「バイト終了~」などと店の写真を載せて、それに店名や地名が記されてたり。土地勘のある人が見れば一発でわかるでしょう。自分の顔を載せていたとなれば論外です。

  例えば拙者にもこんなことがありました。

  ツイッターであるフォロワーさんが外出先から自宅への電車での道のりをスクリーンショットして載せていました。出発・到着駅の名や路線名は画像を加工して伏せていたのですが途中の乗り換え駅は表示されていました。乗り換え案内で表示される路線というのは、その事業者が出しているラインカラーやイメージカラーというケースがほとんど。それに接続する列車の種別、発着時刻(所要時間)といった情報を組み合わせれば特定は難しくありません。(例えば東京駅を1234時に出発する“赤で表示される路線”の「特別快速」に乗り換えて所要時間24分ならどこか、ということ)

  他にも別のフォロワーさんが住所変更の手続きに行かないと、とツイートしてるのを見て、引っ越したのかと尋ねると、“自治体の都合”(若干改変してます)とのこと。元地図屋の知識から、そういう事情で住所が変わるケースというのはどういうことか分かりますし、そういうことが実施された場所は簡単に調べられます。

  両方のケースとも、こちらから指摘すると当該ツイートは削除されました。

  個人情報やプライバシーは公表して差し支えない範囲か、書いた事柄や写真を出すことで影響がないか、SNSを行なうに際してずっと言われていることです。お気をつけを。

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2 Comments

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ぞっとした? (もそもそ)
2017-03-26 02:57:09
ぞっとしたというより、ぞっとしない事案である。
僕の周囲のヤングも、のびやかに情報をさらしてのける。
そういえば、著書で読者の住所をばらすライター氏もいた。
今のご時勢なら、勝手に親友に読者の住所を教えるだけでも大事ではないかしら。
周囲のヤングにも注意をうながさねばなるまい。
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冗談抜きで (雲葉)
2017-04-01 17:48:07
本名でSNSをやりたいから仕事では名前を出さないでくれ、というのは公私混同だと思います。
例えば店舗責任者はフルネーム、写真入りで店内に掲示されるケースが多く、そういう人たちはどうすればいいのか。
「自分の身は自分で守る」という基本を忘れ、なんでも責任転嫁すればいいという風潮には疑問を抱きます。
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