とのさま不経済新聞 by 雲葉

「よるのとのさま」から改題(2013年2月1日)

シリーズ逆行の旅 ~第30回 伊豆急行線

2018年10月29日 | とのさまの漫遊
  昨春の駿豆線制覇の折りに、修善寺と下田を結ぶバスの存在に気付いた。1日2往復ながら運賃は2千円強、NAVITIMEによれば総距離約51km、所要約2時間なら1時間当たり千円ちょい。今やちょっとした学生バイトの時給程度で楽しめるなら乗り得路線ではなかろうか。

  小田急で小田原へ。東海道線は川崎駅での安全確認とやらで遅れ約10分の表示がある。

  「「大本営発表で10分なら実際は15分かな?」」

  やがて駅の放送が8時50分発の熱海行き1527Eは12分遅れで運転中と伝える。熱海での乗り継ぎには余裕があるはずだが気を揉む。やがて隣の鴨宮を10分遅れで出発となり、小田原発も9時ちょうどとなった。そして回復のためギリギリまで飛ばすものだから揺れる揺れる。 ボックス席に収まり買っておいた駅弁屋のおにぎりをぱくつきながらのんびり。そして熱海は7分延まで戻した。電動車が15両中6両のE231系ではなく8両あるE233系だったため加速力に余裕があったことも功を奏したろう。

  久しぶりの丹那トンネルを4分35秒で抜けて三島から修善寺へ。丹那トンネルはケータイの電波が入らないためか、スマホなどを操作している人が一人もいないのが印象的です。

   修善寺駅にて。右が乗ってきた電車
   117系を彷彿とさせる車内
   ここから
   乗ります
   きっぷはこれで

  乗車券は日中だけ使える特殊回数券、200円×13枚つづりを。前回の千円券(100円×13枚)の残りがあるため、組み合わせて使います。
  1040時発の便に乗客は4名、発車すると右へ右へと進み、国道をひた走ります。山へ山へと分け入り、湯の国会館で老婆が降りる。しばらく動きはなかったものの浄蓮の滝でグループの乗車が。ここは「じょうれんのたき」と読みますが、その先の「大滝」「河津七滝」はタキではなく「ダル」と読む。その理由については観光協会のサイトに詳しい。

  ここでタブレットを取り出し地図アプリを起動させる。GPSをオンにしておくと、自分の現在地がバスの走りに合わせて移動するのが面白いし、トンネルで見失うのもまた楽しい。なんともいいオモチャである。
  ひとりで越えます天城越えなんて歌はともかく、峠のトンネルを抜けて河津七滝のループ橋へ。この途中にバス停があるのだが、出入り口が見当たらなかったような。歩道もないし、どうやって乗降するんだろう? 運賃境界のためだけにバス停を置いているのかな? 秘境駅ならぬ秘境バス停ではなかろうか。
  七滝の温泉街へ寄り道、すでに1時間が経過している。そして麓へ下り、1時間半が経過して河津駅に着いた。

   河津駅にて
   うみ~

  山を越えたらこんどは海、国道135号“東伊豆道路”を進みます。むしろこの先は鉄道が山を走ります。天気が良く波も穏やかでしばし見とれてしまう。飽きることなく2時間が過ぎ、海遊公園前で下車、運賃は2150円。200円券10枚と100円券1枚、そして50円玉を運賃箱に投入、運転手さんは交替することなくハンドルを握り続けました。

   お疲れさまでした

  下田柿崎局を不退転の決意で正面突破し、ちょうど昼時なのでお店を探す。国道沿いに名高い牛丼チェーンとファミレスはあるが、ここまで来てそれもあるまい。お弁当屋さんには完売の札が下がっている。やむなくコンビニでサンドイッチを買い、公園内の休憩所でもそもそ。

  休憩所は土足厳禁、管理人は常駐してなく勝手に使えという感じ。ただし16時半で閉まる。

   休憩所
   内部

  さて次は須崎海岸へ。1334時発の須崎海岸経由爪木崎行きには10人ほど乗っている。爪木崎入口で右折、爪木崎方面はさすがやんごとなき方々の別荘があるためか、片側1車線ながらも広い。方やこちらはしばらくは広いもやがてすれ違いさえ困難なほどの幅に。そこを中型ではなく大型、国鉄バス風に表記すると5型が行き交うのだから狭隘路マニヤにはたまらないかもしれない。10分ほどで須崎海岸へ。運賃は230円なり。

   須崎海岸バス停
   郵便局とバス通り
   
   遊んでくれました
   そうだったのか
   漁港

  ここでのインターバルは30分ほど。食事をするほどの時間はないしそもそも店がない。なにか土産物と思うも干物では輸送に不向きなので見合わせ。1410時の下田駅行きで帰途につく。帰りも何か所かですれ違いに難儀した。 下田駅まで300円、昨春と合わせ計3810円のところ、小銭で払った端数を加えても3110円で済んだのだからうまく乗ったほうだろう。しかも200円券が1枚残ったのだから。

  駅ではまず帰りのキップを買っておく。窓口に並んでいた人が「今どきクレジットカード使えないの」と驚嘆の声を上げている。百数十円のキップまでクレカで買わせろとは思わないが、観光列車が発着する主要駅なのだし、導入してもいいのではないか。窓口の前には抜け目なくATMが置いてあるし。 特急券と合わせて8千円近くを現金払いしたので財布が軽くなってしまった。

  

  やっとこさ昼食(後述)の後、ここにも東急ストアがあるんですね。入ってみると地酒や地ビール、乾物と土産になるものがそこそこある。道中の兵糧も仕入れて(駅の売店やコンビニより安いし)税込2千円以上の買い物で100ポイントのクーポン券(新丸子店発行=全店共通)も使うなど悪の限りを尽くしてきました。 ちなみにここのレジもpasmoなど交通系ICカード対応になってます。

  帰りはスーパービュー踊り子10号で。(冒頭写真) 伊東までグリーン車を驕ります。さすがに全区間をグリーンにする予算はありません。 品鶴線経由の池袋行き、しかも武蔵小杉に停まるのでちょうどよかったのです。

   特別車輌という表現も聞かなくなりました
   伊豆高原を過ぎてレッグレストの存在に気付く。かなり足がラクです
   伊東から普通車へ移動


【今日の昼食】
魚河岸(下田市東本郷1丁目1-12) 
 ☆刺身定食 1700円+ビール中瓶 700円
   時間が時間なのでネットで開いている店を探しました。店内は禁煙で扉の前に喫煙所があります。刺身は7点盛り。キンメダイも入ってさすがにうまい。 でも観光地価格なのか、それともふだん行ってる店がよほど良心的なのか…。

  

川崎通いにくい居酒屋

2018年10月16日 | 酔いどれとのさま
  思うところあって🏮赤提灯の新規開拓をしばらく凍結しようと思っていた。

  さりとて通りかかって気になっていながら足を運べずにいた店まで“無縁”にしてしまうのも忍びない。そんな1軒、高津区野川の「まきちゃん」へ向かいます。嫁はんも一緒です。

  武蔵中原駅からバス鷺02系統に揺られ20分ほど、横浜市都筑区との境に近い「妙法寺下」で降りて目の前です。(冒頭写真

   場所はこちら

  地図調査時代から幾度となく前をバスや自転車で通り過ぎていながら、入る機会がありませんでした。暖簾をくぐると先客ナシ。二代目らしき中年の男性店主さんが驚いたような顔でこちらを見ます。 「二代目らしき」と書いたのは、大女将と思しき年配女性の姿があったからで、どうやら家族経営のよう。壁にはキリンビールの受講終了証が飾られてます。

   ドリンクメニュー

  店内はカウンターと掘り炬燵式の小上りがありカウンターに落ち着きます。それでは生(550円)を1杯、嫁はんはレモンサワー(400円)に。ビの字はさすが雑味がなくうまい。

   ビの字とお通し

  お通しは五目豆腐。醤油をかけてと言われ、仰せのとおりに。料理はピリ辛やさい炒め(550円)、焼きナス(400円)、ジャンボメンチカツ(700円)を。するとどれも値段から信じられない量が出され、嫁はんがいてよかった。一人だったら(若いころならともかく)食べきれなかったろう。

  しばししてご近所の常連さんが現れ、店の人と世間話が始まる。テレビが点いておりこちらはこちらでちびちびと。キリンラガー中瓶(500円)をいただくと、やはりというか生の美味しさが際立つ。

  料理はいろいろあるも串焼きはなく、家庭料理が中心のよう。でも煮物は見当たらないような。冬になったら出てくるのかな?

  お刺身も何種類かあり、サンマの文字も見えるが失礼ながら国道ほどの期待が望めるかどうか。貝柱(800円)にしてみる。

   貝柱の刺身

  写真のようにけっこうな厚みがある。食感からホタテではなさそうでタイラ貝だろうか。聞くのを忘れてしまった。 でもこれまたなかなかうまい。

  お腹がくちくなってきたので退出する。お値段納得ではないかな。

  さてここの最寄り駅はというと横浜市営緑線の東山田ではないかと思うけれど、そことを結ぶ杉06系統は店が開くころには途中の道中坂下折り返しになってしまう。となると小杉、中原、鷺沼からバスしかない。(新城、溝の口は本数少) 気軽にふらっととはいきませんが隠れ家のような利用法もいいかもしれません。駅からは離れていても、意外や野川は居酒屋の宝庫ではなかろうか。

  なお🚻お手洗いは共用、和式に洋式便座のアタッチメントを取り付けています。

  そういえば定休日も聞き忘れました。10年前のネット情報だと水曜定休とありますが変わってないのかな?

エグニャイル

2018年10月10日 | とのさまの休日
  今日は嫁はんとも休みだったので昼からお出かけ。アトレ川崎地下でお弁当を買ってと。カツなど“危険度”の高いものは避けて、ランチメニューで格安のお寿司にしました。

  目的地は久しぶりの扇町です。ニャンコたちはその辺でゴロゴロしてるので、それではとお弁当を開けると…、1匹が目ざとくやってきます。箸の先に醤油をつけて鼻先へ。「キミの食べられるものじゃないゾ」って以前もやったような…。

  バスで来て、しばしして到着した電車の折り返しを見送り、1時間ほど滞在してまたバスで戻りました。ではこの後はニャンコグラフィティをお楽しみください。

  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

昨日の今日で

2018年10月02日 | 酔いどれとのさま
  昨日の帰り、下丸子駅前まで来て不意に笑みがこぼれた。なんとも味わい深そうな店を発見してしまったのだ。となれば入らない手はない。嫁はんを誘ってランチと洒落こみました。

  “目蒲線”下丸子駅を出て右へ。蒲田行きから降りたなら踏切を渡りますがどっちみち右です。ほぼ駅の隣なのですぐに現れます。(冒頭写真

   もはや風格すら漂うショウケース

  店の名は「喜楽亭」、気楽に入っていいものかという雰囲気ですが何も考えず踏み込みます。

  扉を開けると先客ナシ、年配の男性店主さんがタバコをふかして寛いでました。席に着くとおススメはメンチカツとチキンカツだと言われる。それも魅力的だがオムライスが食べたかった。なのでカツはそれぞれ定食ではなく単品で、そしてオムライスをひとつ、せっかくなのでビの字も。アテにミックスナッツが付いてきました。

   メニュー
   サイドB
   グループ席
   チキンカツ
   オムライス

  オムライスにはサラダとスープが付くようですが、店主さんスープをふたつ出してくださいました。

  さすがおススメだけあってカツはうまい。イマドキ風に言うなら柔らかくてジューシーですかね。(あまり好きな表現ではない) オムライスは何かのコンセプトカフェではないのでなんて書かれませんし“おまじない”の類いもありません。

  でもオムライスなんぞ何年ぶりに食べたろう。家で作るにも手間ですし。そもそも東京のベッドタウンには「洋食屋さん」自体があまりないような。あってもデミグラスやらカレーなんてかけなくていい。ケチャップだけの単純オムライスはもはや珍しい存在なのだろうか。

(閑話休題)
  お酒はビの字のほかに何があるのか定かではありませんが、一品料理もあるようなのでいつか夜にも訪れてみたいものです。ショウケースのとおりだとウヰスキーや日本酒もあるんですかね? でも踏切や電車の音をBGMに一献というのはノスタルジックかもしれません。

  
  
  

  帰りはこれが来ました。(多摩川園駅にて撮影) 東急線からの撤退が決まり、ここでの活躍もあと僅かです。でも譲渡先ではあと30年使う予定だとか。一部では鉄道会社と車輌とどっちが長持ちするかのチキンレースかよとの声も聞かれます(不穏当

  でも本当にあと30年使ったら車齢は80年を超えます。床下機器は交換されているとはいえ車体はほぼ製造時のまま。某鉄道会社がかつて「価格半分、寿命半分」と謳い“走るンです”と揶揄された車輌に対する反駁なんでしょうかね?

  今日も暑かったですね
  

  1000系の未更新車もドア上に電光掲示板やドアチャイムの設置工事が施工されているようです。

遠い千葉

2018年10月01日 | とのさまの休日
  国鉄東日本千葉ワイド周遊券なるものを発売しているらしいとの噂を嗅ぎつけ、1泊旅行をと洒落こんだ。颱風一過とはいえ天気も落ち着いたようだしと6時過ぎに楽観的に家を出た。

  ところが最寄り駅での南武線がまずグダグダ。小杉で横須賀線にと思ったらこちらも動いてない。ではと川崎へ出たら京浜東北線東海道線ともいつ来るのか全く当てにならない。とりあえず京浜の南行が雁行しているので横浜まで出る。房総各線も運転再開見込み立たずとのことで鉄道はあきらめ、一縷の望みを託して東京湾フェリーのサイトをタブレットで見ると「欠航」とある。ぎりぎりまで粘るつもりで京急に乗り久里浜まで行ってみるも…

  

  万事休すで予約していたホテルに電話、キャンセルする。するとやむを得ない事情なのでキャンセル料は取らないと。ありがたい話だがやはり旅行したかった。まだきっぷの発売期間はあるので改めて日程を組み予約したい。

  過去にも颱風一過で旅行したことは何度かあり(九州にも行った)ダイヤ乱れに巻き込まれはしても旅行中止に追い込まれたのは初めてだ。先を見越して早々に運休を決めていながら、再開後のことはまるっきり考えていなかったかのようだ。鉄道の技術は脆弱な方向に進歩しているような気がしてならない。

  
  自宅最寄り駅へ戻り、買っていたきっぷは無手数料で払い戻し。

  国電各線ほどひどくはないものの、京急も混乱していました。久里浜では電光掲示板の案内が、品川方面は3番線が先発と表示しながら、電車が来たのが4番線、しかも何の案内もなく「ドアを閉めま~す」 ホームの乗客も一様に「え」という顔でした。

  そしてその列車も当初は品川行きながら文庫で横浜行きに変更、上大岡で抜いた急行は羽田空港行き、南太田で抜いた普通車は新町行きと、品川方面の客は災難ですな。

  横浜で東横線に乗り換えたらこちらも特急が間隔調整で延々と停まっている。菊名でガラガラの各停に乗り換え、日吉に着くと車内放送が「しばらく停まります。向かいの目黒線が先に発車します」と伝え、大勢が出ていく。ところが間髪を入れず発車ベルが鳴り、こちらが先発すると。急ぐわけでなしずっと座ってはいたものの、非常時対応、特に情報伝達がまるっきりダメダメになっているのではないか。

   爆誕した快特横浜行き(横浜駅にて)

  5時間半ぶりに懐かしの我が家へ戻り、ツイッターで旧知に励まされたこともあって再び家を出ます。

  どうにか平常ダイヤに戻った南武線で平間へ。昼食(後述)の後、ガスブリッジ()を渡って東京都へ向かいます。(冒頭写真は橋上から武蔵小杉方向を望んで)

  向かったのは、なぜかどっぷり東急の領域にある東武ストア下丸子店です。

   店舗外観

  東急ストアも北越谷にありますし、他にも京急地帯のはずの杉田や鎌倉などなど、鉄道のみならずスーパーの“相互乗り入れ”もまた楽しからずや。

  電鉄系共同PBはやはりというかあるのでわざわざ輸送することもない。長ネギが安かった。ちなみにここもTカードなんですか。“東武”のTではなくツ〇ヤ系のTですな。ところが今日は旅行するつもりで携行してなかったため、レジで忘れた旨を伝えると、「お忘れ券」なるものを渡された。

  

  要はポイントを後付けできるというシロモノだ。便利でいいサービスと思うか、そうまでして個人の購買履歴データをほしいと思っているのかは、皆さんそれぞれのお考えに委ねたい。

  さて、千葉行きの計画はまた改めて立てましょうかね。


【今日の昼食】
入船(川崎市中原区田尻町58-2) 
 ☆みそラーメン 700円
   平間駅を出て右へ、突き当りを左折して、通りから奥まったところにあります。
  
   近ごろ足を運んでませんが立ち飲み屋さんに行った折に見かけ、なんとなく気になっていました。お蕎麦屋さんでありながら、こういうお店はラーメンがありそうと思ったら果たして。誰が言い出したか分からない偉そぶった“名店”よりも、こうした純朴な味は捨てがたいものがあります。なお前述のとおりこの後はまだ歩く予定だったため、アルコールは頼んでいません。

  

  なおお手洗いは共用で洋式です。