#19 近畿日本鉄道八王子線
#20 同、鈴鹿線
#21 三岐鉄道北勢線
部屋には時計はあれど目覚まし機能はなく、モーニングコールのシステムもないため
ケータイのアラームをセットする。7時に鳴るようにしていたのだけれど6時半前に目が覚めた。目覚めは良く、ぐっすり眠れたのだろう。さて、昨夜の“大浴場”はというと、洗い場が2人分しかなく、浴槽は6人が適正。定員3名
のサウナはすでに冷たい。低温サウナというにも涼しすぎてがっかり。しかし足を伸ばして入れる風呂は快適だし、また利用したいとは思う。でも次は予約確認ミスなどということがないように願いたい。なおこのホテルは
男性専用の由。
まだ雨が残る街を歩いて名古屋駅へ。
名鉄尾西線の残りを制圧する。弥富駅ではトランパスが使えないため、券売機でキップを買っておく。ラッシュの真っ只中でもあり電車も遅れ気味だ。0819時の準急弥富行きも6分遅れだった(行程表は実乗のもの。以下同じ)。8両編成だが須ヶ口で後ろ4両切り離しというので前方の車輌へ。
その須ヶ口で始発の岐阜行き普通に接続し、多数が乗り換えていって車内は閑散となる。まだ通勤客が多い上りホームを横目にこちらはのんびりと。それでも遅延回復のためにスピードを出すけどさほど揺れない。4年前に廃止された弥富口駅はほぼそのまま。所定から3~4分遅れて弥富へ。折り返しの電車は吉良吉田行きになる。ずいぶんな“遠足列車”だ。
尾西線電車(弥富駅)
いったん改札を出てキップを買い直し、関西本線普通列車で桑名へ。すでに雨は上がっている。駅近くの桑名東方簡易局で経験値1とゴム印1を求める。外見では全くと言っていいほど郵便局とは分からない。自動ドアを入ると右に商店、左に局というぐあい。扱いを終えて退出すると、左右から「ありがとうございました」と言われた。
桑名局は別の機会に回し、駅前のビル2階で“名古屋式”モーニングを。喫茶は2軒あり、奥の店へ。手前は珈琲にトースト、ゆで卵に対し、奥はトーストとバナナ2切れ、餡子とある。どちらも330円なり。
快速「みえ1号」で四日市へ。ここからバスで西日野を目指す。乗車するバスは椿大神社(つばきおおかみやしろ)行き。いったん近鉄駅へ寄ってから国道1号を走る。日永駅前を通って川の土手へ上がり20分ほどで西日野に着いた。駅(
冒頭写真)はバス停の目前ながら少し奥まっている。かつては先へと線路が延びていたらしいが、すぐにそれと分かるものはない。
西日野駅にて
近鉄四日市駅にて
日永駅にて内部線車内から
先頭車に腰を下ろし、発車すると床下から渋い重低音ドルビーサラウンドが響いてくる。幼少から慣れ親しんだサウンドだ。冷房がないので窓を開けて風を浴びながら走る。これもまた心地よい。次の日永で内部行きに連絡するが、ここで乗り換えては四日市までが未乗のままになってしまうため乗り通す。
近鉄四日市では駅前局があるはずなので探すも見つからない。ここで時間を食っては後の行程がパァになるため涙を呑み、再びドルビーサラウンド電車の客となる。電動車1両、付随車2両の編成なので加速は鈍いし、登り坂ではモーター音が下がってくるけど、これがまたマニヤには感動的でさえある。スピードも速くなく、もしかすると拙者の自転車より遅いのではないかと考えてしまう。
内部駅舎
内部では平田町駅行きのバスに所定5分の乗り継ぎ。駅前の通りを渡った向かいにある四日市小古曽局をダッシュで攻める。幸いに先客はおらずすぐの取扱いで、駅舎の写真を撮れるほどの余裕を持ってバス停に向かう。バスは四日市からの便で2分遅れてきた。つまりこれに乗れば内部線も逆行できるわけ。バスは片側2車線の国道1号を快調に走る。途中に「自由ヶ丘」というバス停があり、ポールも三重交通サイトでも「ヶ」なのに車内の運賃表だけ「自由が丘」だった。庄野橋で国道と別れ、鈴鹿高校の前を通り、駅まで行かずショッピングセンターなどがあるベルシティけやき通りで降りる。さらに駅とは反対方向へ歩き、鈴鹿庄野局で経験値(略)。頃やよしと昼であり、隣のすき家で昼食にする。
平田町は大企業の事業所があるせいか、思ったよりひらけていて、小洒落た居酒屋もある。すでに暖簾を出している店もあるがここは忍の一字とする。駅名は平田町でも駅近くの交差点名称は「平田駅」となっている。いったん駅前を通り過ぎて鈴鹿算所局をも制圧。下校の高校生も目立ち始めた電車で伊勢若松へ。平田町駅はバリアフリー化工事中とあって雑然としているが、もともと改札とホームとはスロープであり、勾配の緩和だろうか。
平田町駅舎
ここも短い路線なので乗ってしまえばあっという間。伊勢若松では待つほどなく名古屋行きの急行につながる。近鉄富田では17分の間に四日市富田西局へ。かなり厳しい道中だったがなんとか間に合った。三岐線のキップは窓口でとあるので求めると、なんと硬券
しかも入鋏(スタンプじゃありませんよ)という伝統手法に驚く。
三岐線電車(近鉄富田)
三岐線の機関車
西武からの流れ者電車に腰を落ち着け、発車するとコイルバネ台車特有の全身マッサージのような揺れがまた懐かしく感じられる。保々の手前で放送が何やら言っているが音量が小さく聞き取りにくい。どうやら車輌交換をするから乗り換えろとのことらしい。車輌交換の自動放送まであるのか。車内を見ると座席の2か所が水濡れのため覆われており、そのせいだろう。その保々では向かいホームに「西藤原」の表示を出した電車がいて民族大移動(といっても十数人)が始まる。
うらうらといい天気の中を走り、少ない乗客も東藤原までにみな降りてしまい、ついに編成ごと貸切になった。西藤原駅では、これから乗車する
いなべ市福祉バスの「
ありがとう券」なるものを所望する。乗車も券も無料なのだが、これがないと乗れないらしい。
バス停は駅を出て右手の坂を下ったところ。1分もかからなかった。(
写真左奥が駅へと続く道。) 友へのケータイメールを作っていると白いワゴン車が近づいてくる。正面に「いなべ市」とあり、それが福祉バスだった。「ありがとう券」を1枚もぎって箱に入れる。結果としては箱の横に券が備えられており、持ってなければそこから取って投入してもよかったのだ。券は10枚綴りで今後使う予定もないけれど記念にしておこう。
乗客は拙者だけ。しばらく線路と並行に走り、東禅寺バス停は東藤原駅前だった。途中で年配の婦人が乗り、運転手氏が今日で異動となるらしく感謝の言葉を述べていた。その婦人はすぐに降りてまた拙者一人に。いなべ総合病院でも乗車はなく、貸切のまま阿下喜駅に着いた。
電車を1本遅らせて街の探索に出る。駅前に
阿下喜温泉あじさいの里という施設があるけど、せっかくならゆっくりしたいし今日は見送り。西桑名から北勢線の乗車券とセットになった割引券もある。さて、まずは坂を上って北勢郵便局へ。帰りがけに酒屋をのぞくも目ぼしい地酒はなし。三重県民は肝臓にアルコール分解酵素を持つ人の割合が低いらしく、そういえば三重の地酒は知らない。駅前に戻ってショッピングセンターなる看板を出した建物にも入ってみる。ところが書店と百円店と軽食コーナー(本日定休)があるだけで、ずいぶんショボイと思ったら、奥にまた別の建物があり、そちらが食品などを扱うメイン店舗らしい。ここで三重の地酒「
天慶」があったので購入する。一緒に缶ビール(
キリン一番搾り)を求めるとすいぶん安い。我が家の近隣スーパーはどこも顔負けである。地方ほど安売り要請が強いのであろうか。
阿下喜駅と福祉バス(右)
テレビ番組へのメッセージボード
駅へ戻り、構内にはローカルテレビ番組へのメッセージボードがあり、街の自慢を書くようになっている。北勢線の乗車券は券売機発売ながらも硬券入場券はあった。
北勢線電車(阿下喜駅)
西桑名駅を望む
発車するとこちらも床下から重低音ドルビーサラウンドが響いてくる。4両編成のうち阿下喜方の1両のみが電動車のためパワー不足の感はある。北勢線には冷房車も増えているがこちらは非冷房のまま。通学生の間では冷房車に当たったか否かで一喜一憂する会話がなされているのだろうかと、自身の高校時代を思い浮かべる。でも今日みたいな天気なら窓を開けて風を入れたほうが気持ちがいい。
東員では交換待ちのため4分停まるという。停車時間中に駅舎へいそいそと硬券入場券を求めに行くなんていつ以来だろう。ずっと乗っていたいけど非情にも線路には終点がある。次には温泉と合わせて訪れることにしよう。
桑名では満席の快速「みえ」を見送り、始発の普通列車で名古屋へ。ホテル最寄りの丸の内までは地下鉄
桜通線で。丸の内駅を降りると足許がでこぼこしている。ホームドア(可動柵)の設置工事中らしい。大都市で費用負担と車輌規格統一などの条件が整い、ワンマン運転でも差し支えない路線なら設置したほうがよいだろう。しかし今回のような停止位置ではドアが開かなくなってしまう。
今夜の宿は
東横イン名古屋丸の内を。チェックインして洗濯物をコインランドリーに放り込み、終了見込み時間が30分強と表示されたので、ホテル斜向かいにある雰囲気のよさげな店に入ってみる。
店の名は「然」。カウンターのみで8席しかない。まずはビールに味噌串カツ、どて煮、ひじきを注文。(
写真左手前はつき出しのキャベツ) ダバダ火振が見えたので1杯もらう(600円)。土佐と尾張のコラボ、これもなかなかいいじゃないか。今日は余力を残し、ランドリーの時間を見計らって40分ほどで退出する。乾燥機にかけている間にロビーの
ネットパソコンで昨日分のえにっき下書きやメールチェックなど。その後はフロントにあった周辺ガイドを手に適当な店を探すも、さっきよりいい店がない。というより独りでふらりと入って落ち着いて呑めそうな店が見当たらないのだ。したがってまた「然」の暖簾をくぐる。さっきマスターに「またいらしてください」と言われたけど、まさかこんなに早く来るとは思わなかったろう。唖然とした顔をされるのも無理はない。
ここのメニューは煮物が中心で、男前のマスターが作る家庭料理がまたいい。値段も1品300円、串カツ1本90円と良心的で、『
ありったけの小銭かき集め、今日もこんなに呑んじゃった』
【行程】
[名鉄名古屋] 8:19(名鉄名古屋本線~津島線~尾西線 3579 =8両→須ヶ口から4両 540円)9:03 [弥富] 9:08(関西本線307M クモハ313-3026 =2両 190円)9:15 [桑名] 9:56(同2901D キハ75-206 =2両 230円)10:06 [四日市] 10:15(三重交通62系統 280円)10:35 [西日野] 11:00(近鉄八王子線 262 =3両 220円)11:08 [近鉄四日市] 11:30(同内部線 123 =3両 220円)11:47 [内部]~[内部駅前] 11:54(三重交通 53系統 500円)12:14 [ベルシティけやき通り]~[平田町] 13:28(近鉄鈴鹿線 2009 =3両)13:39 [伊勢若松] 13:41(同名古屋線 1434 =6両 430円)13:57 [近鉄富田] 14:04(三岐鉄道三岐線 804→保々から781 =3両 500円)15:01 [西藤原]~[西藤原駅東口] 15:09(いなべ市福祉バス 無料)15:29 [阿下喜] 16:15(三岐鉄道北勢線 201 =4両 460円)17:11 [西桑名]~[桑名] 17:42(関西本線342M クモハ313-3018 =2両 330円)18:10 [名古屋]~以下略