このところまたサマータイム(夏時間)を日本にもという動きがかまびすしい。拙者はどちらでもよいのだが、今の時季だと働きすぎる問題が生じそう。
夏至の前後は、日が傾いたなと思ったら軽~く18時。赤提灯の前を通ると明るいうちから一杯やってる人だっているわけ。それはそれで優雅かもしれない。空が明るいうちに入る風呂と同じものを感じる。
一方で夏時間は労働強化につながるという声も。そうならぬよう企業側が就業時間を調整したら何の意味もなさなくなるだろう。
かつて勤務していたソフト屋は9時~18時の8時間労働。派遣されていた大手メーカーは8時半~17時20分。昼休みが50分なので同じく8時間労働だった。拙者としては後者の方がありがたかったですな。早く帰れるし。法制化なんかせずとも、フレックスタイムや、季節によって15分でも30分でも就業時間をずらしてもらうよう働きかけるほうがメリットは多いのではないかとも思う。ラッシュが分散すれば鉄道の混雑も緩和されるだろうに。
それに西日本では「いつまでも日が沈まない」というデメリットが生じよう。夏至の頃(6月下旬)の石垣島の日没時刻を国立天文台のサイトで調べると19時36分。東京が19時01分だから35分も差がある。那覇でも19時26分だ。
北日本はというと、意外にも札幌は19時18分と東京より遅い。高地の長野は19時10分、東端の根室はさすがに19時02分で東京とほぼ同じか。
そう考えると夏時間というのは、単に東京の日没がどこよりも早くて癪だから法制化しようという思考に基づいているのではないかと感じてくるのです。
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上記は2008年6月11日付で記したものを再録したものです。なぜ今さらというと、昨日(23日)付の朝日新聞「私の視点」で、元出雲市長で前衆議院議員の岩國哲人氏が不可解な発言をしていたからです。
結論から書くと今夏の節電のため夏時間を導入しろと言うのだが、今夏に必要な“節電”は、ピーク時の電力使用を減らすということで、1日の総電力量を減らそうというものではありません。そこを混同させて単に持論である夏時間を推進しようという目論見にしか読めず疑問に感じました。
氏は韓国を引き合いに出して、「韓国は日本より西にあるにもかかわらず日本との時差はないので、いわば一年中、夏時間を行っている」と主張する。国土が東西に長い日本の地理を無視したものだし、韓国式がよければ日本の標準時を1時間進めればすむことで、切り替えごとの手間も省ける。米国などのように複数の標準時を設けろというのも案としてあり得るでしょう。
氏はもうひとつ、「将来的に屋外のすべての自販機を撤去すべき」とも主張する。数が多すぎるから減らせというのは理解できるけど、すべてというのは乱暴ではないか。真夏の地図調査中、店なんか何もない中で資材置き場などの一角にある自販機にどれだけ助けられてきたか。便利な中でしか暮らしたことのない人の発想なんだろうな。
自販機を減らしてピーク時電力量をも減らせるなら夏時間など必要ないわけで、主張の根拠も曖昧になってきます。
出雲から東京に出てきて、すっかり故郷の夕焼けなんか忘れてしまったのでしょうか。拙者は岩國氏を支持も不支持もしていませんけど、政治家という立場にありながら持論の推進のために詭弁を弄するようでは国民は混乱してしまいます。
夏至の前後は、日が傾いたなと思ったら軽~く18時。赤提灯の前を通ると明るいうちから一杯やってる人だっているわけ。それはそれで優雅かもしれない。空が明るいうちに入る風呂と同じものを感じる。
一方で夏時間は労働強化につながるという声も。そうならぬよう企業側が就業時間を調整したら何の意味もなさなくなるだろう。
かつて勤務していたソフト屋は9時~18時の8時間労働。派遣されていた大手メーカーは8時半~17時20分。昼休みが50分なので同じく8時間労働だった。拙者としては後者の方がありがたかったですな。早く帰れるし。法制化なんかせずとも、フレックスタイムや、季節によって15分でも30分でも就業時間をずらしてもらうよう働きかけるほうがメリットは多いのではないかとも思う。ラッシュが分散すれば鉄道の混雑も緩和されるだろうに。
それに西日本では「いつまでも日が沈まない」というデメリットが生じよう。夏至の頃(6月下旬)の石垣島の日没時刻を国立天文台のサイトで調べると19時36分。東京が19時01分だから35分も差がある。那覇でも19時26分だ。
北日本はというと、意外にも札幌は19時18分と東京より遅い。高地の長野は19時10分、東端の根室はさすがに19時02分で東京とほぼ同じか。
そう考えると夏時間というのは、単に東京の日没がどこよりも早くて癪だから法制化しようという思考に基づいているのではないかと感じてくるのです。
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上記は2008年6月11日付で記したものを再録したものです。なぜ今さらというと、昨日(23日)付の朝日新聞「私の視点」で、元出雲市長で前衆議院議員の岩國哲人氏が不可解な発言をしていたからです。
結論から書くと今夏の節電のため夏時間を導入しろと言うのだが、今夏に必要な“節電”は、ピーク時の電力使用を減らすということで、1日の総電力量を減らそうというものではありません。そこを混同させて単に持論である夏時間を推進しようという目論見にしか読めず疑問に感じました。
氏は韓国を引き合いに出して、「韓国は日本より西にあるにもかかわらず日本との時差はないので、いわば一年中、夏時間を行っている」と主張する。国土が東西に長い日本の地理を無視したものだし、韓国式がよければ日本の標準時を1時間進めればすむことで、切り替えごとの手間も省ける。米国などのように複数の標準時を設けろというのも案としてあり得るでしょう。
氏はもうひとつ、「将来的に屋外のすべての自販機を撤去すべき」とも主張する。数が多すぎるから減らせというのは理解できるけど、すべてというのは乱暴ではないか。真夏の地図調査中、店なんか何もない中で資材置き場などの一角にある自販機にどれだけ助けられてきたか。便利な中でしか暮らしたことのない人の発想なんだろうな。
自販機を減らしてピーク時電力量をも減らせるなら夏時間など必要ないわけで、主張の根拠も曖昧になってきます。
出雲から東京に出てきて、すっかり故郷の夕焼けなんか忘れてしまったのでしょうか。拙者は岩國氏を支持も不支持もしていませんけど、政治家という立場にありながら持論の推進のために詭弁を弄するようでは国民は混乱してしまいます。