千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

ドイツとスイスをICで通学するチェリスト・宮田大さん

2011-02-16 22:33:40 | Classic
先日のプロボクシングWBC世界ミニマム級の試合で、井岡一翔さんが国内最短となる7戦目での世界王座獲得に成功した。記念に後援会関係者から1500万円の「ポルシェ」が贈られたそうだが、井岡君はこれまで負け知らずで全戦勝ち続けたそうだ。
スポーツと芸術ではかけ離れているが、2009年第9回ロストロポーヴィチ国際コンクールに優勝した1986年生まれのチェリスト、宮田大さんも9歳で初出場した国内の学生音楽コンクールで優勝して以来、出場したすべてのコンクールで1位入賞を果たしてきたそうだ。そんな宮田さんのインタビューが某私鉄の広報誌に掲載されている。

「とちぎ未来大使」にも任命されている宮田さんは、この私鉄が通る栃木県ご出身。お父様がチェロ、お母様はヴァイオリンの教師と恵まれた環境で生まれた宮田さんは、3歳の頃からチェロをはじめられた。ヴァイオリンではなくチェロを選んだ理由が、落ち着きのないこどもでヴァイオリンをもたせても歩きまわるためにチェロだったらちゃんと椅子に座って練習するだろう、、、というご両親のお考えによるそうだ。音楽家からみれば落ち着きのないこどもも、活発なこどもともいえるかもしれない。

そんなきっかけではじめたチェロとのお付き合いも、まだ若いながら、すでに21年に及ぶ。宮田さんにとってはチェロは友達を会話しているような気がするそうで、一緒に呑んでいるような・・・と言ったら言い過ぎかもしれませんが、とのこと。ところで、そのお友達、もしくは呑み仲間のチェロは、なんとサイトウ・キネンの齋藤秀雄氏ご愛用の18世紀イタリア製「テストーレ」だそうだ!この楽器を使用されていることで、音楽界の宮田さんへの期待度がわかる。

ところで、掲載誌が私鉄の広報誌と関係で宮田氏と電車とのおつきあいもわかったのだが、宇都宮っ子の宮田さん高校から東京の桐朋に電車通学をしていたとのこと。どれだけ通学時間がかかったのだろうか。乗り換え検索で調べてみたら仙川まで新幹線を使って1時間50分程度。これって近いのか遠いのか?日本が好きな彼は楽器さえ持っていなければ満員電車も大丈夫。桐朋学園大学を卒業してからは2007年からスイスのジュネーヴ音楽院に留学するかたわら2008年からはドイツのクロンベルク・アカデミーにも在籍して研鑽を積まれる。どちらか一方ならパリ経由で行ったが、両方を往復するときはICなどで片道8時間かけて通学しているそうだ!大変だな・・・と思いつつ、最近はパソコンを使用して時間を過ごすそうだが、最初の頃は車窓から眺める景色が花が咲きハイジの世界のような山道や湖の畔を走り、ドイツに入ると山々のすべてにお城が建ち大変きれいだとおっしゃっている。確かにヨーロッパの景色の美しさは格別だ。私はテレビ番組の「世界の車窓から」という番組がとても好きなのだが、旅のような電車通学とはスケールが違う。

現在、宮田さんはフランクフルト近郊のクロンベルクという裕福な方たちの別荘地でホームスティをして、東京ではひとり暮らしだそうだ。海外と日本を半々往復して演奏活動をしている。倉田澄子さんからは母親のように接していただき音楽だけでなく人間性も磨かれ、現在師事しているフランス・ヘルメルソン氏からは男として育てていただいているという。「音楽家として自分が目指していきたい方向を示していただいているような気がする」という宮田さんは、本当にまだ若いこれからのチェリストだと感じる。世界的な権威のあるコンクールで優勝しても、音楽家としてもひとりの人生もはじまったばかりだ。ハイジのような美しい車窓からの景色を眺めていた青年がのる列車がどこへたどり着くのか、今後も気になるチェリストになりそうだ。

■熱かった演奏会
読売日響サマーフェスティバル2010


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