千の天使がバスケットボールする

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MAROワールド Vol.17 ”モーツァルト Part.III” by MAROカンパニー

2012-03-27 22:53:12 | Classic
ETUDEのromaniさまは、ベートーベンの「田園」の最初の出だしを思い浮かべただけで、なんとなく幸せな気分になるらしい。
この感じはとても良くわかる。私はさしずめモーツァルトの音楽だろうか。単純なことに、モーツァルトを聴いている時の私はほんわかと上機嫌な女王様。ましてやディベルティメントの音楽なんぞに包まれたら、この世の中が美しくも生き生きと心に映ってくる。ディベルティメント。和名では、素敵にも”喜遊曲”(嬉遊曲)なんて訳されている。

さて、今宵は18世紀後半に、貴族のために祝賀行事用、はたまたパーティのためのBGMとしてモーツァルトが作曲したディベルティメントを集めた演奏会である。演奏者はまろさんと親分が「ヤッホー。元気? ねぇ、まろと遊ばない?」などとナンパの電話をかけて集結させたらしい男達。

そう、このMAROカンパニーの特徴は、若手、いずれも国内の主要オーケストラのコンサートマスターや首席奏者、そしてジョシ隆盛の世間とは背を向けたオール”メンズ”であるところに特徴がある。しかし、まろさまのイタリアン・マフィアのようなあの迫力で”遊ばない”と優しく誘われたら・・・断れる勇気はないかも?

それは冗談として、もうひとつMAROカンパニーの大事な特徴は、お客さんも充分楽しんではいるだが、実は演奏者の方たちの方がもっと楽しんでいる!ことだ。ヴィオラの鈴木康浩さんなどは、実に楽しそうに演奏している。

おっと忘れてはいけない、それからまだまだあったのが、曲の途中でまろさんの司会(しきり)があり、突然ご指名を受けた方による曲の解説など、トークが間に入ることだ。これがなかなかお茶目な演出で笑える。今回は、初出品の水谷晃さんと依田真宣さんによる回文の音楽版モーツァルトの「シュピーゲル・カノン」までが演奏された。鏡を表す意味のシュピーゲルのカノンは、一枚の楽譜を相対で演奏していくしかけになっている。よく知られているモーツァルトの天才性を証明したような曲だが、実際に演奏されるのを聴いたのは初めてだった。

こんなところにも、高い音楽性を追求する緊張感とは別の次元の素朴に音楽を楽しむ創意工夫がうかがえる。ちなみに以前のクリスマス・コンサートでは開場時間が通常よりも早く1時間前でワインが呑み放題だった記憶があるのだが、今回は休憩時間にヨックモック提供、パティシエ特製ザッハトルテがふるまわれた。美味で満足!まさかお酒やケーキで釣られているわけではないが、本当にMAROカンパニーはチケット入手困難である。

先日、デパートの紳士服売り場で店員さんが華やかな柄を裏生地に仕立てているジャケットを中年の男性にお薦めしている光景を見かけたのだが、その男性がすすめてくれた店員さんに「あっ、まろだっ!」とジャケットを指差していた。私も声こそ出さなかったが、近くで「あっ、まろだっ」と思わず目を見開いていた。この意味がわからない方は、つたない弊ブログ>をご一読いただければ・・・。

---------------------------- 3月22日 王子ホール -------------------------------------

篠崎史紀、伊藤亮太郎、白井 篤、伝田正秀、長原幸太
西江辰郎、水谷 晃、依田真宣(ヴァイオリン)
佐々木 亮、鈴木康浩(ヴィオラ)
桑田 歩、上森祥平(チェロ)
西山真二(コントラバス)
阿部 麿、日高 剛(ホルン)
モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.136,137,138
       :ディヴェルティメント 第17番 ニ長調 K334

■サプライズ・ピース
モーツァルト:シュピーゲル・カノン

■アンコール
ランナー:モーツァルト党 Op.196 より MAROスペシャル・バージョン



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