千の天使がバスケットボールする

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村上ファンドの陰の役者たち

2005-11-02 22:15:18 | Nonsense
おりにふれ、日本の経済史を知るにつれ、しみじみと感じることは、魑魅魍魎が跋扈する経済界もまるで芸能界のように浮き沈みの激しい世界であるということだ。そして今最もその潮流にのっている絶好調の売れっ子新人役者御三家といえば、村上世彰、三木谷浩史、堀江貴史であろう。(敬称略、順不同)
キャラクターと愛嬌のある顔でホリエモンを一番おもしろいと思っていたが、通産省在籍時代に官僚制批判の論文執筆や、日本が社会主義政権になる小説を書いて一時南アフリカ大使館に飛ばされた村上氏も、その役者ぶりはなかなかのものである。けれども、最もその実態が見えないのが村上、つまり村上ファンドであるが、今月号の「選択」に意外と知られていなかったその内情を知った。独善的なカリスマ仕事師と思える彼を陰から支える3人マネージャがついているのだ。

■滝沢健也(副社長 パートナー)・・・村上氏の番犬であり仕掛け人

東大法学部卒で村上氏の同級生。在学時は法律の条文を一読で覚える博覧強記、仏語も堪能でその優秀さで目立つ存在だった。卒業後、警察庁に進み、後にボストン・コンサルティングを経て、米国大使館の政治顧問に就任。情報交換のパイプ役という表の顔だけでなく、日米両政府が出し合っている公認スパイというポストを務める。記憶に新しい東京スタイルでのプロキシーファイト(委任状獲得競争)に発展する以前から、滝沢氏は個人で株を保有して、株主総会にも潜入していた。小学生から株式投資をはじめて、大学時代では億単位のカネの運用までしていた(その運用益で広尾ガーデンヒルズを購入)村上氏を、トップにたたせることを仕掛けたという観測。

■丸木強(副社長 パートナー)・・・株取引のプロ

東大法学部卒、同じく同級生。野村證券入社。資本市場部次長。株式売買のすべてを取り仕切っている。大量保有報告書の運用ルールを熟知している。そのおかげでニッポン放送株をまだ保有しているかのように演じ、その裏で高値で売り抜け巨額な売買益をえた。投資顧問業者は、10%以上保有している銘柄は、通常の5%ルールと同じく5営業日以内に大量保有報告書の変更報告書を提出する義務があるのだが、月末時点で10%未満なら特例が適用される。さらに村上ファンドは、運用会社との間で複雑な株の貸借を実施して「特例の適用除外逃れ」を敢行。実に悪賢くて優秀なのだ。

■池田龍哉(総務部長)・・・マスコミ戦略家

大学は違えども、旅先で村上氏と出会って意気投合。日経BP社などで営業マンをしていた。ファンド運用会社の45%は、アプティ君と宮内義彦氏のオリックスが保有しているが、筆頭株主は、有限会社オフィスサポートが48%を保有している。村上氏の個人資産管理会社であるが。代表を務めるくらい信頼は最もあつい。今後も、アクティビスト・ファンド(もの申すファンド)をめざすのであれば、その性格からいって情報戦をしかける広報担当者の仕事はやりがいのある仕事ともいえる。

すべてこの4人は、大学時代からの信頼と友情でつながった関係である。ともすればマネーゲームと揶揄と怨嗟をあびる敵対的買収を宣言する村上氏ではあるが、その意欲を「国のため」「日本のため」となにかと大口をたたく。しかし、その手法にわずかないかがわしさを感じなくもないが、頭がキレルのは当り前だが予想外に単純な性格と見受けられるこの主役、けっこう本気なのかもしれないと思いはじめている。今や村上ファンドの運用資産4000億円のうち、8割が米国の年金、学校法人の基金、中東のオイルマネーといった海外の資金である。かっての憂国の士は、着実に海外から注目されるジャパン・ファンドの獅子となっている。その舞い方に、益々目が離せない。やっぱりなかなかの役者ぶりなのだ。

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