気象庁の発表
2010年も、今日から9月に入った。でも、とても9月とは思えない、真夏のような暑さだった・・・。いつまで続くのか、この暑さ。気象庁の予想によれば、今月中は続くという話だ。
特に、西日本がすごいみたい。軒並み、35度からそれ以上というから、夏の真っ盛りでも「これはひどい」と思うほどの暑さだ。
春には、「今年は、少なくとも30年に一度の『異常気象』に当てはまります」と宣言した気象庁。今度は、「今年の夏は、史上最高の暑さでした」と発表した。
>今夏(2010年6月~8月)の日本の平均気温は、統計を開始した1898年以降の113年間で第1位(これまでの第1位は1994年)の高い記録となりました。
いわく、20世紀の百年間で一番、夏が暑かったのは、1994年だった。今年は、その記録を上回った。これ以上の暑い夏は、日本では記録にない。100年以上前の明治時代に、気象庁が日本の気候の統計を取り始めて以来、こんなに気温の高い夏はなかったのだ。
その昔は、はたしてどうだったか。江戸時代、戦国時代、南北朝時代・・・と昔を遡ってみても、日本の気候は、全体的に今より寒冷だったとされている。たぶん、こんなに暑い年は無かっただろう。おそらく、神武天皇が東征して以来、今年が最高に暑かったと思われる。いや、天照大神が天の岩戸からお出ましになって以来、今年が最高に暑かったと思われる・・・。
もっとも、6月と7月の暑さは、たいしたことなかった。突出して暑かったのは、8月。気象庁によれば、「8月の平均気温は、平年比を+2.25℃も上回った」という。
考えてみれば、もっともだ。4月や5月頃までは、「なんで、今年はこんなに寒いのか?」と、誰もが首をひねっていたほど、日本は寒かった。6月から7月にかけては、大雨ですさまじい被害があった。暑かったのは、なんといっても8月。
この調子では、9月はもっと記録ずくめの月になりそうだ。
それにしても、なんでこんなに暑いのか。気象庁は、原因をこのように分析している。
>このように、2010年夏の日本が記録的な高温になったのは、期間を通して冷涼なオホーツク海高気圧や寒気の影響をほとんど受けなかったこと、梅雨明け後、上空の偏西風が日本付近で平年よりも北に偏って流れ、勢力の強い太平洋高気圧に覆われたこと、今春まで継続していたエルニーニョ現象の影響で北半球中緯度の対流圏全体で気温が上昇したこと等の要因が重なったためと考えられます。また、背景として二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響が現れているとみられます。
ここでは、原因が2つ挙げられている。
ひとつは、「偏西風の蛇行」。日本の上空を流れる偏西風(ジェット気流)が、いつもよりも北に蛇行していた。おかげで、普通の年ならもっと南にあるはずの熱い気団、太平洋高気圧が居座ってしまった。
もうひとつは、「エルニーニョ現象」。南米ペルー沖の海水が、なぜかいつもより温かいおかげで、世界の空気の流れが狂ってしまう現象だ。そのせいで、北半球が全体的に暑かったらしい。
でも、「背景」として挙げられている、根本的な原因。それはやっぱり、「地球温暖化」。温室効果で、地球がだんだん暖かくなってきている。全体的に気温が上がっているから、日本の夏も暑くなる。
でも、日本の猛暑は、まだマシな方だ。ロシアなどは、いつもなら夏でも涼しい極北の国なのに、今年は熱帯なみに暑い。「一日300人が、暑さが原因で死亡している」とまで報道されたほど。シベリアの永久凍土が溶け出して、凍ったマンモスも地上に出てきた。食糧需給への影響が、非常に心配されている。
地球全体の気候は、もっと狂っている。そう思えば、この強烈な残暑にも耐えられるというものだ・・・!?
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