ビビッド能里子トーク・サロン

心身両面の指導者として感じたこと

「世界心理治療学会」で発表した小池能里子からのアドバイス

2014年10月22日 | 世界心理治療学会アドバイス
 ☆いつも自分が一番でいたい 
 Aさんは35歳、ある大手企業で働いています。
子どもの頃から成績もよく、いつでもトップクラスでした。
 しかしそのためには、限りない努力が必要でしたが、でも彼はその努力して
いる姿は誰にも知られないように振る舞っていたのです。
 それはあまり勉強しなくても、「生まれつき頭が良い、能力があるからだ」と、
他人に思われたいためでした。どんなことでも、「他人よりも優位に立たなけ
れば」「完全にしなければ」「他人に絶対に弱みは見せたくない」と言う価値観
の持ち主でした。第一志望の大学に不合格となり、他の一流と言われる大学を
卒業し入社しましたが、同期入社に自分が入りたかった大学を卒業したTさん
がいて、それからはその人に、猛烈な対抗意識を持つようになったのです。
 そのためいつでもTさんを意識しましたが、Tさんの評判が良いと知ると
猛烈に口惜しくてならなかったのです。

 自分には全然関係ないのに、その口惜しい気持ちをコントロールできず、いろ
いろな本を読み漁りました。そしてわたしの著書を読み、「自分の人生の主役は自分」
という言葉でハッと気がついて相談に訪れました。
 また、いつでもホンネとタテマエがあまりに違うので、それが精神衛生上
大変よくないこと自分でも、ハッキリ認識していました。
 そのストレスは、いつも家で奥さんにぶつけていたので、最近夫婦仲も険悪
になり、それも悩みの一つで、「何とかそんな自分を変えて、自然体の自分に
なりたい」と思うのですが、それがなかなかできないのが悩みでした。

 Aさんには性格分析や心理分析を元に、いろいろアドバイスしましたが、
非協調的で、プライドが高く、目立ちたがりで嫉妬深く、それを他人に知られ
たくないため、より精神的に負担がかかり、この状態ではいずれ病気になる
ことは明確でした。それらをどう変えるかについて、今までの指導の実例を
元に、具体的にアドバイスしました。でもかたくなな面が多く、大変指導が
しにくいタイプですが、私は逆にヤル気が湧いてきたのです。
 「あなたは自分の人生の主役は、自分自身になりたいのに、今のあなたは
自分で好んで人生の脇役を演じているのに気がついていますか?あなたが
いつもはり合っているTさんが、実は主役なのですよ」と話しました。
 するとAさんは、「あなたは単なる脇役」と言う言葉に、私の著書で感じた
ことを再体験したようです。競争心は自分を向上させるために役立つのは確か
ですが、それも程度問題でしょう。
 ☆自分で感じる幸せを大切にして
 他人と競うのではなく、やりがいを感じたり、楽しかったりなど、自分が感じ
る幸せが最もステキな生き方ではないかしらと、お話したことも大変効果的に
彼の気持ちを動かしたようです。
 他人に良く見られたい、負けたくないために持てる能力以上に、自分をいつも
駆り立て、疲れ果てていたAさん。
 後半からは少しづつですが、その捉われから解放されていきました。
ほとんどズバリと内面をついた性格・心理分析と、そのアドバイスが大変納得
でき、自分に厳し過ぎたことも、しっかり理解できたようです。
 また、科学的な自律訓練法も指導しましたが、その公式の自己暗示語に
「いつでも自然体でいられる」「自分は自分、他人のことは気にしない」とくり
返したのも、大変効を奏したようです。
 疲れずに快適に生きるためには、等身大の自分であることが必要ですが、さて
あなたは如何でしょうか?無論私は自然体で生きていますので、毎日がとても
楽しく快適です。もしもAさんのような心あたりのある方も、こんな態度で暮ら
していると、必ず心因性の病気になりますので注意しましょうね。


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