ビビッド能里子トーク・サロン

心身両面の指導者として感じたこと

映画「パーソナル・ソング」を見て

2015年03月12日 | えっせー
 アメリカの映画だが、施設に入っている94歳の認知症患者は、10年間以上
自分の名前も、娘の名前も忘れ、意欲もなくなりふさぎこんでいた。
 好きな音楽をイヤホーンで聞かせたら、突然目が輝いて、表情がイキイキ
して、手を振ったり、体をゆすったりして「歌ってもいいのかい?」と驚きの
反応を見せ、さまざまな昔の記憶が蘇った。
 3年間にわたりいろいろな人に、イヤホーンで好きだと思える音楽を聞かせると
中には踊り出す女性もいたが、全く思い出せなかったことが、次々と思い出せたり
とても嬉しそうになって、全員が意欲が出て元気になる。
 音楽の持つその偉大な力に、私は本当に感動し、涙腺が刺激されて困った。
また直接認知症を治療する精神科医は「ほとんど効かない薬を開発する費用に
比べれば、アメリカの老人ホームにいる患者に、それぞれお気に入りの“パーソ
ナルソング”を届ける方が、よほど効果的、しかし音楽療法は医学的行為として
みなされない。投薬がビジネスになっているのです」と語った。
 この事情はどこの国でも、あまり変わらないのだと、私は改めて感じた。
  
 私も心理カウンセラーとして、音楽は絶対に大脳に効き目があると思い
我が家では認知症の夫のために、いつもクラシック、ジャズ、ラテン、ダンス
ミュージュクなど流していた。しかし以前聞いた音楽療法の講演では、「好きな
音楽が必ずしも良い訳ではなく、何と言ってもモーツアルトがベストだ」と
知ったので、私は早速音楽療法用のモーツアルトのCDのセットを買い、毎日
BGMにしていた。もともと私達は音楽が好きで、二人でよくコンサートへ行く
が、サントリーホールのウイーンの交響楽団のニューイヤーコンサートは、毎年
の習慣になっている。コンサートの時の夫は本当に楽しそうで、これは絶対に
精神的は効果があるはず、と気づきこの3年間位は毎月必ず行っている。
 
 幸い近くの成城学園前にコンサートホールがあるし、比較的リーズナブルで
気軽に楽しめる。今もシャンソンと、ジャズのチケットがあるが、また5月
には奇跡のテノール歌手と評判の韓国の歌手「ベー・チョチュル・コンサート」
に行くが、あの有名な「日野原重明先生」が解説なさるそうで、今からとても
楽しみにしている。私はこの映画「パーソナル・ソング」を見て、大変感動
したが、音楽は「モーツアルト、イズ、ベスト」ではないことが、ハッキリ
理解できた。これからも夫の好きな音楽を、絶えず流しておくつもりでいる。
 もしもご家族にそんな方がいらしたとしたら、別に洋楽に限らず、その人の
好きな日本の音楽でも、歌でも、何時も聴いていれば、必ず精神的に効果が
あるはず。そのため、ぜひお好きな音楽を絶えず聴かせることを、お勧め
したいと思っている。

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