ビビッド能里子トーク・サロン

心身両面の指導者として感じたこと

春なのに

2015年03月29日 | えっせー
 桜が咲くとウキウキするのは毎年だけれど、今年はそう喜んでばかりは
いられない。心配していた友人は大丈夫だったけれど、私のたった一人の兄
が食道がんで大変だと知らされて、昨日夫と急遽病院へかけつっけた。
 一度は手術したそうだが、また転移して、今では水も受け付けないのだとか。
兄はそれほどやせ細っていなく、案外元気だったけれど、喉が痛くて何も飲み
込めずまったく何も食べられないそうだ。
 そのままでいれば当然死を意味するので、そのため胃ろうを医師から勧め
られ、考えているようだ。いろいろな情報では胃ろうは良くないと聞くので
甥の電話で相談された私は、絶対強く反対した。
 でも、兄と会ってその状態を見て、「止めた方が良い」とは、どうしても
言えなかった。胃ろうは明らかに延命措置だけれど、兄は家に帰って家族と
一緒に暮らし続けたいという気持ちが、強く感じられたからだ。
 
 同じ兄妹とは思えないほど兄は壮絶な人生だった。
まだ30代の時、3歳と、5歳、小2の子供達がいたが、妻はある手術の麻酔
ショックで突然死した。その時の兄は涙一つ見せず、決して泣き言も、愚痴も
こぼさなかったほど精神的に強い人だった。
 その後再婚しまた息子が二人できた。しかし、これも運命なのだろうか
前妻の息子達も娘も若くして旅立った。
 その時兄は「前の人生でオレ、よっぽど悪い事していたのかな」と、ポツリと
もらしたが、甘ったれの私とは随分違って、優秀な兄はビジネスマンとしては
最高の地位に上りつめた。
 
 一人しかない妹なのに、兄の再婚相手は何故か長年私を避け続けたため
だんだん疎遠になり、最近では滅多に会うことはなかった。 
 現在は長男夫婦と二世代住宅、孫も生まれ平和で穏やかに暮らしている。
そんな幸せな老後を、もっと続けさせた上げたいと思う反面、そう長くない
命で、さらにまったく食べられなくては、人生が楽しいのだろうか?
 健康だった兄がそんな状態になるなんて、考えたこともなかったのに
やはり年齢でそんな病気になったのだろう。
 これからどうなるのか分からないが、穏やかで安楽な時間を過ごして
欲しいと、妹として心から願っているが、これからどうなるのかいくら
考えても仕方がないが、私にはどうすることもできない。
 



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