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miniな舞台

観劇記録+日記@不定期更新。俳優・内野聖陽さんを勝手に応援中!時々サカナクション。

No.315 「イリアス」

2010年09月04日 21時33分10秒 | 過去の観劇記録
2010年9月4日(土) マチネ ル・テアトル銀座 7列 14番

アキレウス (ギリシア連合軍の英雄)=内野聖陽、ヘクトル (トロイア王プリアモスの息子)=池内博之、オデュッセウス (ギリシア連合軍の知将)=高橋和也、アンドロマケ (トロイア王子ヘクトルの妻)=馬渕英俚可、カサンドラ (予言能力を持つプリアモスの娘)=新妻聖子、パトロクロス (アキレウス最愛の友)=チョウソンハ、アガメムノン (ギリシア連合軍総大将)=木場勝己、プリアモス (トロイア王)=平幹二朗、コロス=初嶺麿代・中川菜緒子・一倉千夏・飯野めぐみ・宇野まり絵。
原作=ホメロス、脚本=木内宏昌、演出=栗山民也、音楽=金子飛鳥。

ある日、ギリシア軍の総大将アガメムノンと英雄アキレウスが戦利品の女ブリーセイスを巡って争いになり、アガメムノンの横暴な仕打ちに怒ったアキレウスは戦線を離脱してしまう。
しかし、敵国トロイアの名君プリアモスの子ヘクトルが、祖国の名誉と存亡を賭けて決死の猛襲をかけてくる。英雄アキレウスを欠いて、敗走を重ねるギリシア軍を見かねたアキレウスの親友、パトロクロスはアキレウスに戦闘へ戻るよう懇願するが、断られてしまう。そこで、パトロクロスはアキレウスの鎧を借り、自ら身につけ敵に向かっていくが、トロイア軍のヘクトルによって殺されてしまう。
親友の死を知ったアキレウスは、復讐を果たすためアガメムノンと和解し戦線に戻ることを決意、ヘクトルとの一騎打ちに臨む…。
(あらすじは公式HPより)

初日ならではの高揚感に包まれた劇場内。そこかしこで「久しぶり」の挨拶大会でもある。
何の予習もせずの観劇になったが、とても解りやすく、席も7列センターと恵まれ、非常に充実した観劇だった。

上演時間は20分の休憩を含む3時間25分くらいだったか。1幕は1時間30分程度あった模様。
トイレの列はとても長いので、休憩時間は出来るだけ入らない位のイキオイが良いかも。
グッズはパンフレット、Tシャツ(黒。柄は一つのみ)、イリアスオリジナルラベルのワイン(300mlくらい?)、あとは公式サイトでも紹介のあったメガネ掛けにもなるペンダント。終演後になると袋が無くなっていたので、持参するのがベスト。

以降、若干のネタバレアリ。




たった13人で演じるのは殆ど無謀かと思うような「イリアス」だけど、そこは演劇のマジック。あらかたのストーリーは語りで進む。もちろんこの語りの部分も重要。文脈も詩的で、「麦の穂を刈るように敵の首が飛んでいく」とか…
観客に想像させるような場面も多く、そして我々も軍隊や国民の役目(?)も果たしているキャストの一員のようだ。

金子飛鳥さんの音楽も重要なファクターを占めている。独特の世界観だけど、それがこの舞台にピッタリと合っていて心地よい。舞台シモテに金子さん(ヴァイオリン・ヴォーカル他)、キーボードの鶴来さん、パーカッションのヤヒロさんが生演奏で合わせてくれる。
歌もあったが、ほぼ新妻さん&コロス5人衆のみ。このコロス達は、私がいくつか観てきたギリシャ劇の中でも突出の存在だったと思う。時には神、時には軍隊・兵士、槍も扱い出番もセリフも多く、大変だろうなあ。

衣装はギリシア連合軍(アガメムノン/木場・アキレウス/内野・オデュッセウス/高橋・パトロクロス/チョウ)達は濃赤、対するトロイア軍(プリアモス王/平、ヘクトル/池内、アンドロマケ/馬淵)は青。カサンドラは黒、コロスは白(なんだか包帯みたいだった)。
アキレウスは途中白い衣装に替わる(怒りを抑えて戦場に出るのを止めている時)。
アキレウス・ヘクトル・パトロクロスのデザインは一緒で、キーネックでタンクトップ風の上着とキュロットっぽいパンツ、ブーツ風の靴とベルトに剣。
内野アキレウスの髪型は「ペリクリーズ」時の感じ。後ろ髪が長くて、ちょっと縛ってる(似合うw)

1幕はアキレウスがなぜ怒っているのか、その原因となったアガメムノンによる屈辱が主軸となり、戦線を離脱したアキレウスに業を煮やすパトロクロス、どうにかアキレウスとアガメムノンの二人を和解させようとするオデュッセウスの知略。
思った以上にアキレウスの出番は少ないです… でも竪琴を弾く姿が素敵(笑)
仲間達が次々と戦場で死んでいくのに、一向に戦場に赴かないアキレウスを焚きつけるように、パトロクロスはアキレウスの鎧を借りて戦場に向かいます。だけどヘクトルを深追いしすぎて敵陣の真ん中で討たれてしまう。最愛の友を失ったアキレウスの怒りは打倒ヘクトルへと。この辺りのアキレウスの心情変化、見応えあり。
さらに2幕はヘクトルとの一騎打ちシーン。まずは鎧が超似合う!内野さんも池内さんも、ビバ上腕二頭筋!!です(爆)←汗がしたたり落ちています。
客席からアキレウス登場。カミテ通路側を通って舞台上へ。近くで観るとさらに身体が大きく見えます。
立ち回りは肉弾戦かと思うほど。剣・鎧・盾、それと身体もぶつかり合い、ジャンプありターンありの迫力満点。途中アキレウスは槍を持ち振り回すのですが、階段に当たったらしく1度落としてしまいました。
続く、ヘクトルの遺体を引き取りたいと老王プリアモスが嘆願に来るシーンも非常にいい場面でした。平さんの存在感。あれだけの心情を吐露されれば、許さない者はいないでしょう。
ヘクトルの妻アンドロマケの嘆きも身に染みます。この人が一番まっとうな事を言ってるような…
カサンドラ新妻さん、ストーリーテラーの役目もしています。神秘的な予言者が似合う。
アガメムノン木場さんは、なんかかなり軽いキャラなの?かと思う傍若無人っぷりとオンナ好き(笑)
オデュッセウス高橋さんは知将が板についていて、まぁこの人が「トロイの木馬」を考案する人なんですわ。王であるアガメムノンより切れ者です。
ヘクトル池内くんも熱演!上にも書いたけどアキレウスとの一騎打ちシーンはほんと見応えありです。
アキレウスの最愛の友(というより本当はloveな関係)パトロクロスはチョウソンハくん。やっぱり若いから身が軽いね~。2幕、パトロクロス葬儀の前にアキレウスの夢に幻として登場するシーンの衣装が…(白塗りの裸にフンドシいっちょ)去り際アキレウスの唇にkissアリ。

「イリアス」の原作どおり、ヘクトルの葬儀シーンで終わりとなりますが、後日談はカサンドラとコロスによって語られます。

カテコは思った以上にサッパリ終わりました。少なくとも、私の視界ではスタオベの人はいませんでした。
キャストも、たぶん放心状態だったかも知れませんね。

ロビーで脚本の木内さんをお見かけしました。あと男性の姿も結構多かったです(若手の俳優さんらしき方も)

客席に置いてあるチラシ束の中に聖陽流の入会案内が。初めてですよ。
プログラムには新しい みずほ証券の広告もあり。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

以下の写真はサンスポHPより(3日のゲネプロの模様)








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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初日速報ありがとうございます! (pippi)
2010-09-05 02:30:11
miniさんの詳細なレポに期待で胸がパンパンです!やった~!私、上手通路席なんです~
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是非ガン見を(笑) (mini)
2010-09-05 22:32:03
>pippi様
お役に立てたかどうか疑問ですが(なにしろ「日本一役に立たない劇評」を目指していますので・笑)

通路側で気合いに満ち満ちたアキレウスをガン見しちゃって下さいw

「イリアス」、pippiさんも絶対気に入られると思います。面白いです。演劇の醍醐味が存分に注入されています。
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観て来ました (ダック)
2010-09-06 00:34:58
観て来ました~。眼福眼福。
内野×池内対決は演劇史上に残る戦いとなるでしょう~。
ちょっと長めで縛った髪、ホント好きなの・・・もう切らないでそのまま伸ばしてて欲しい~
今回はあと2回観る予定です。
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楽しみです! (たかのり)
2010-09-06 09:17:01
初日行かれるとのことでしたので
レポ&感想楽しみにしていました!
ゲネプロ写真でさらにわくわく感アップ
自分の観劇はまだ先なのですが、
それまでにいろいろ想像(妄想ともいう)を
逞しくして楽しみに待ちたいと思います。
その前に、まだ読了していない「イリアス」
原作本を読み終えなくては・・・
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アキレウスってば! (mini)
2010-09-07 23:31:11
>ダック様
そうですね、内野×池内の一騎打ち、たしかに演劇史に残りそうです。
この作品自体が語り継がれそうです♪

ダックさん後ろ髪長い内野さん好きですよね~確かw
似合ってましたね。またその髪が汗で濡れて…(腐)
私もあと2回(東京)、さらに例のごとく遠征です。

>たかのり様
ぜひぜひ楽しみにしていて下さいませ。
たかのりさんの感想も待ってまーす。

原作本、買っておいたのですが、観劇後に必要な箇所だけ(笑)読みました。
観てから読んでも面白かったですわ。
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