miniな舞台

観劇記録+日記@不定期更新。俳優・内野聖陽さんを勝手に応援中!時々サカナクション。

No.307 「ムサシ ロンドン・NYバージョン」

2010年05月23日 22時30分56秒 | 過去の観劇記録
2010年5月22日(土) ソワレ 彩の国さいたま芸術劇場大ホール 1階 O列 8番

宮本武蔵=藤原竜也、佐々木小次郎=勝地涼、筆屋乙女=鈴木杏、沢庵宗彭=六平直政、柳生宗矩=吉田鋼太郎、木屋まい=白石加代子、平心=大石継太、他。
作=井上ひさし、演出=蜷川幸雄、音楽=宮川彬良、他。

慶長十七年(一六一二)陰暦四月十三日正午。
豊前国小倉沖の舟島。真昼の太陽が照り付けるなか、宮本武蔵と佐々木小次郎が、たがいにきびしく睨み合っている。小次郎は愛刀「物干し竿」を抜き放ち、武蔵は背に隠した木刀を深く構える。武蔵が不意に声を上げる。「この勝負、おぬしの負けと決まった」。約束の刻限から半日近くも待たされた小次郎の苛立ちは、すでに頂点に達していた。小次郎が動き、勝負は一撃で決まった。勝ったのは武蔵。検死役の藩医に「お手当を!」と叫び、疾風のごとく舟島を立ち去る武蔵。佐々木小次郎の「厳流」をとって、後に「巌流島の決闘」と呼ばれることになる世紀の大一番は、こうして一瞬のうちに終わり、そして・…物語はここから始まる。
(あらすじはホリプロHPより)

1年ちょい降りに再演の「ムサシ」である。
今回はロンドン公演・ニューヨーク公演を終えての“凱旋公演”。
現地新聞の劇評が張り出される傍ら、井上ひさしさんの追悼ボードも置いてありました。

佐々木小次郎が初演・小栗旬→勝地涼、沢庵宗彭が初演・辻萬長→六平直政とキャスト変え。
音楽もこんなに「能」を意識してたっけか?と思いました。
ラストの彷徨える霊達が武蔵と小次郎を説得する場面、後方上部に霊達の絵が増えていたようです。

勝地くんは再演からの参戦ながら、なかなか勢いのある小次郎を魅せてくれました。少し身長が低いのが難点と言えば難点か… なにしろ小栗くんがとても大きかったので。
藤原くんも初演時の時より、より自然体の武蔵。だんだん役の年齢と近づいてきたのもあるのでしょうか?(小次郎が寺を訪ねた最初のシーンで、武蔵が縁の下から木刀を取り出す時に、木刀が引っ掛かってしまったのね)
白石さんの、まい。「蛸」のシーンも、“感動の母子対面”も、すこしやり過ぎ気味では。
六平さんは辻さんとは違う、なんともイイ感じの「ナマグサ感」があり(笑)、最初のうちは、その見た目(失礼…)とのギャップがあったのですが、2幕後半あたりからはグッと引き込まれました。
吉田さんの柳生宗矩は相変わらずの狂言狂いで、何かにつけて舞を舞いたがるメンドクサイ(爆)人ですけど、初演時より抑え気味?

全体的に初演より笑いの要素が少なくなったような気がします。それでも「五人六脚」やら、タンゴシーンやら、押さえる所は押さえつつ。
その分、最後の「一つしかない命を無駄にするな」「命が勿体ない」というメッセージが強く伝わってきました。
乙女役の霊のセリフ「生きていればもっと書けたのに…」という言葉に、井上さんをダブらせている観客が沢山いたと思います。
カテコで拍手をしていた時、ふと客席の上の方に、井上さんが漂っていらしたような気になってしまいました。これからも、きっとどこかで暖かく見守っていてくれるでしょう。合掌。


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