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東京新聞インタ

2011年12月14日 22時30分00秒 | テレビ東京新春ワイド時代劇「忠臣蔵」
内匠頭への愛 それが義
きょう十二月十四日は「赤穂浪士討ち入りの日」。歌舞伎で、映画で、テレビで愛されてきた「忠臣蔵」のクライマックスだ。来年一月二日にテレビ東京で放送される新春ワイド時代劇「忠臣蔵~その義その愛」では、主人公が大石内蔵助ではなく、堀部安兵衛という異例の展開となる。主演するのは、「JIN-仁-」(TBS)で坂本竜馬を演じた内野聖陽(まさあき)。安兵衛が貫いた義とは何かを聞いた。
堀部安兵衛は、江戸で赤穂浪士をまとめ上げる若きリーダーとして描かれる。
「安兵衛って、そこまで活躍したのかなという疑問があったので、意外だったんですけど、実際には大石内蔵助と手紙のやりとりを重ね、討ち入りへの原動力になったそうです。江戸の庶民の感覚を知る男(安兵衛)と、“現場”から離れた“本部”のボス(内蔵助)という構図も、町民風情だった男が江戸急進派のリーダーになり、浪士たちの挫折も見ていくというのも、面白いなって思ったんです」
忠義。大義。恩義。さまざまな義があり、四十七士それぞれが自分なりの義を持っている。例えば、主君の浅野家を預かる内蔵助は、大義を探す。江戸の人たちが納得する大義がなければ討ち入りはできない-と。
一方、安兵衛を動かすのはシンプルな義だ。そもそも安兵衛は赤穂藩(今の兵庫県内)にとっては新参者。新発田藩(同じく新潟県内)の出身で、父は組織の体面を保つために藩を追放された。武士社会の理不尽さを憎んでいた安兵衛だが、赤穂藩士・堀部弥兵衛に剣と人柄を見込まれて、娘・ほり(常盤貴子)の婿に迎えられ、赤穂藩に仕える。
そんな男が、なぜ誰よりも熱く討ち入りへ動いていくのか。それは浅野という家ではなく、浅野内匠頭という一人の人間への愛だと内野は理解している。
「現代に生きる人間として、『お家に対する忠義』って、ちょっと信じられないですよね。『家のために死ねるか?』ってところがある。だから、監督とも『やっぱり人だろう』ということで一致した。非常にさばけていて、公平な殿様との革命的な出会いが、安兵衛を変えたんじゃないか、と」
内匠頭役の市川染五郎とのシーンは気持ちが入ったという。撮影中は頭の中が「染ちゃんだらけ」。「理屈抜きに好き、みたいになってしまって、『この人が死んじゃうんだ』と思うだけでウルウルしてしまった」と笑う。
義というと大仰だが、「人としての心のありようなのかな」と言う。
「時代劇の世界の中の浮いた言葉にしたくない。みんなそれぞれ『義』を持っていると思う。どういう俳優になりたいのかってのも、ある意味『義』じゃないですか。守りたいもの、貫きたいもの、それが『義』じゃないのかな」
では、俳優・内野聖陽の義とは-。「考えたこともないよ」と言いながらも、一呼吸置いて「フィクションという枠組みの中で、真実を表現していくこと」と真摯(しんし)に語ったが、すぐに「あまり格好いいこと言うと恥ずかしいから言いたくないけど」と、照れ隠しのように笑ってはぐらかした。
三百年以上前の史実を題材にしたドラマが、安兵衛という真っすぐな男の姿を通じて、二〇一二年の日本人の心に何かを残すことができれば、まさに彼の「義」にかなうのではないだろうか。放送は午後四時から七時間。
テレビ東京「忠臣蔵」の変遷 年末年始は忠臣蔵が放送されることが多く、テレ東の新春ワイドでもこれまでに4回あった。初めての1989年は、森村誠一原作で松本幸四郎が大石内蔵助。1999年は大仏次郎原作で松方弘樹の内蔵助。2003年は歌舞伎のエピソードを取り入れた。中村吉右衛門が内蔵助。
2007年は、浅野内匠頭の正室・瑤泉院(稲森いずみ)が討ち入り首謀者という異色作で、湯川裕光原作だった。5回目の来年は、原作なしで脚本・金子成人。内蔵助は舘ひろし。
ちなみに、討ち入りがあった元禄15(1702)年12月14日は旧暦。現在の1月末にあたる。
(東京新聞HPより)

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