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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2016年度予算案焦点の焦点⑥ 社会保障 自然増分を大幅に圧縮

2016-01-26 22:45:06 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2016年度予算案焦点の焦点⑥ 社会保障 自然増分を大幅に圧縮

2016年度予算案の社会保障関係費は、15年度比4412億円増に押しとどめ、31兆9738億円(1・4%増)です。毎年1兆円程度となる自然増分を、3年間で1・5兆円に抑える「骨太方針」を受け、6700億円に抑え込んだ概算要求よりさらに削って4997億円としました。安倍政権になってからの4年間の自然増分は毎年5000億円以下に抑えられています。毎年2200億円の削減を押し付けて「医療崩壊」を招いた小泉「構造改革」路線を上回る社会保障の切り捨てです。



診療報酬削減1%を超える
国民が受ける医療内容を決める診療報酬は、小泉内閣以来10年ぶりに実質1%を超える削減(1・03%減)で、患者追い出しや医師・看護師不足に拍車をかけるものです。
14年度から始まった70~74歳の医療費負担増は、今年度に新たに70歳になる人の窓口負担が1割から2割に引き上げられます。現役世代(65歳未満)の入院給食費の値上げ(1食100円増。月9000円増)が開始され、紹介状なしの大病院受診にも5000円以上の追加負担を求めます。
介護では、15年度から始まった要支援者向けサービスを切り捨てる自治体が広がり、昨年来の利用料の2割負担(一定所得以上)など負担増が高齢者を直撃します。



社会保障の充実などを求めて開かれた集会の参加者=2015年10月22日、東京都千代田区

年金据え置き物価上昇でも
年金は、物価上昇にもかかわらず給付を据え置き、実質削減です。15年度補正予算で低年金者に3万円の臨時給付金を計上していますが、来年4月からの消費税の10%増税など負担増が待ち受けています。
「一億総活躍」の名で女性や高齢者らを安価な労働力として活用するため、介護や保育で受け皿を増やすとしています。介護では2020年代初頭までに50万人分を整備するとして現在の計画に10万人分を上乗せ(補正予算含めて)。しかし、特別養護老人ホームだけでも待機者が52万人おり、必要量にほど遠い内容です。
保育でも、50万人分を整備するとして補正予算を含めて12・8万人分を計上するにとどまり、必要量には遠く及びません。しかも、50万人のうち5万人分は「企業主導型保育事業」(796億円)で実施し、市町村関与のない認可外施設を増やします。具体的基準は今後の検討だとしています。株式会社の全面参入に道を開くもので、認可保育所増設がわきに置かれています。
ひとり親への児童扶養手当の第2子以降を増額(5000円→1万円、第3子以降は3000円→6000円)します。しかし、対象となるひとり親世帯の6割をしめる第1子は対象外で、1万円あった子育て世帯臨時特例給付金を廃止するなど極めて不十分です。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年1月26日付掲載


社会保障の負担増と支給減のメニューは目白押し。
お金に余裕があるから予算をつけるのではなく、国民の健康と生活の維持のために必要だから予算をつけることが社会保障の理念。
それが、まるで逆立ちしている。



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