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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「骨太の方針」の実像① 財界の要望を丸のみ

2023-06-22 07:04:51 | 経済・産業・中小企業対策など
「骨太の方針」の実像① 財界の要望を丸のみ
岸田文雄政権は16日、経済財政運営の方向性を示す「骨太の方針」を閣議決定しました。大企業・財界奉仕の姿勢が露骨に表れています。問題点を見てみました。
(金子豊弘)

「骨太の方針」を策定する経済財政諮問会議が発足したのは、今から22年前の2001年でした。初会合は、01年1月6日。諮問会議設置の狙いは、「予算編成権を盾に強大な権限をもってきた大蔵省(現財務省)の力をおさえつけ、官邸主導の政治をすすめる切り札としてつくられた」(財界関係者)ものでした。財界にとっては、中央省庁の官僚たちが主導する予算編成は、財界には「官僚主導」の政策づくりだと映ります。



経団連会館=東京都千代田区

政策決定の場に
この「官僚主導」政治の転換は、財界の積年の願望でした。諮問会議には、財界トップが直接、政策決定の場に陣取ります。財界主導の政策づくりとその実行の中心的役割を諮問会議が担っています。
大田弘子氏(元経済財政担当相)は、その著書(『経済財政諮問会議の戦い』)で、「予算編成の主導権を財務省から官邸に移すことであり、諮問会議もそれが最大の眼目」と語り、「政策として実現させるには、どれほどの調整の労力がかかろうとも閣議決定文書にする必要がある。諮問会議では、その閣議決定文書の最初の土俵を民間メンバーが設定してきたのである」としています。
ここでいう民間メンバー4人のうち2人が財界・大企業から選ばれています。22年間の歴史の中で、経団連と経済同友会の代表がその席をほぼ独占してきました。

用語もそっくり
経団連が5月31日発表した23年度の「事業方針」は次のように指摘します。
「成長に向けては、不断のイノベーションによる新たな価値の創造や需要の創出を目指し、グリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーション(DX)、スタートアップ等の重点分野に対して、官民連携による国内投資を促進し、わが国企業の付加価値創出力の向上、ひいては産業競争力の更なる強化を図る」
では、岸田文雄政権が16日閣議決定した「骨太の方針」はどうなっているのでしょうか。「骨太の方針」は、岸田政権の経済政策の課題について次のように強調します。
「『新しい資本主義』の実現に向けた構造的賃上げの実現や人への投資、分厚い中間層の形成に向けた取組や、GX・DX、スタートアップ推進や新たな産業構造への転換など、官と民が連携した投資の拡大と経済社会改革の実行」
官民が連携して投資を促進することを両者が共通して重視していることがわかります。しかも、GXやDXという外来語が使われ、その重点分野も共通しています。
十倉雅和経団連会長は、7日の諮問会議で経済運営の基本的考え方は、「経済界の認識とまさしく一致するものである」と評価し、「官民連携で経済成長を実現していかなければならない」と発言しました。(つづく)(3回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年6月20日付掲載


「官僚主導」政治の転換は、財界の積年の願望。
政策として実現させるには、どれほどの調整の労力がかかろうとも閣議決定文書にする必要がある。諮問会議では、その閣議決定文書の最初の土俵を民間メンバーが設定してきた。
経団連は、成長に向けては、不断のイノベーションによる新たな価値の創造や需要の創出を目指し、グリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーション(DX)、スタートアップ等の重点分野に対して、官民連携による国内投資を促進し、わが国企業の付加価値創出力の向上、ひいては産業競争力の更なる強化を図ると。
骨太の方針でも同じような内容が…。

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