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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

命にかかわる欠陥次々 マイナカードで受診 立ち止まり検証を

2023-06-21 07:07:31 | 予算・税金・消費税・社会保障など
命にかかわる欠陥次々 マイナカードで受診 立ち止まり検証を
マイナンバーとマイナンバーカードをめぐるトラブルが連日のように出ています。それでも推進に突き進んでいる岸田文雄首相や河野太郎デジタル相。いま起きているトラブルの深刻さ、わかっていますか?(矢野昌弘)

医療費10割負担した例533
「夫婦の保険情報が逆さまになっていた」「患者さんの全く見覚えのない住所が登録されていた」
マイナンバーカードによる受診でのトラブルを調査した兵庫県保険医協会のアンケートには、他者へのひもづけが6件も報告されました。他にも「保険者情報が正しく反映されていなかった」と223件の回答がありました。その内容も「保険証の変更など何もないのに、半年ほど『無保険』の(扱いになっている)方がいる」と深刻な状況です。
宮城県保険医協会のアンケートでも「他人の情報にひもづけ」が1件、「無効・該当なしと表示されたなど」が45件にのぼりました。これまでに、全国で別人の保険証情報が誤登録された件数は7313件、マイナンバーカードで受診したところ、資格情報が確認できず、医療費を10割負担することになった件数533件となっています。
兵庫県保険医協会事務局の伊地知浩平さんは「医療にかかわる情報は、命と健康にかかわるし、センシティブなもので、起きてはならないトラブルが起きている。10割負担になることは、患者さんの受療権に関わる一大事です」と話します。





発行番号は券面に表示されず、電子証明書に含まれています。
マイナポイント付与やコンビ二での住民票の写し発行などに用います。マイナンバーと比べ、利用制限がないため、政府・財界が民間利用の急速拡大をすすめています。


今後も誤登録起きる危険
収束が見えない中、河野デジタル相は「これから新しい誤登録というのは起きない」(12日、参院決算委員会)と火消しに躍起です。
誤登録は本当に今後起きないのか―。
健康保険の医療資格は就職や退職などで変わります。そのたびに、新たな資格情報とマイナンバーとのひもづけをするのですから、誤登録を“ゼロ”にすると断言できようはずがありません。
一連の誤登録は、紙の保険証で起きようもないお粗末なことが、マイナンバーカードでは起きうることを示しました。
紙の健康保険証は、国保なら自宅に郵送されます。健康保険では職場を介して本人の手元に届きます。その時に、名前などが間違いないか、本人が確認できます。
他方、マイナンバーのひもづけは、健保組合などの医療保険者で作業しています。マイナンバーの12ケタの数字は、属性や規則性などありません。数字の羅列と、特定の人の資格情報を間違いなく結びつけるのは至難の技です。
しかも、本人が確認できるのは、マイナカードを機械にかざした時だというのも事態を深刻にしています。資格情報が間違って登録された結果、別人と取り違えて診察されるなどの重大なトラブルが懸念されています。少しの事務的ミスが生命に直結する重大な欠陥です。

トラブルの連鎖で不便に
誤登録によるトラブルは、マイナカードを持とうが持つまいが巻き込まれてしまうのが、マイナンバー制度の危うさです。
国民すべてに12ケタの番号を付けたマイナンバーを使って、政府は2017年から「情報連携」をしています。
税務署や医療保険者などが持つ、所得税や年金、雇用保険、医療保険などにマイナンバーをひもづけ、必要な時に名寄せできるシステムです。
この間、誤登録が明らかになった医療保険や年金は、マイナンバーが始まる前から、それぞれに年金番号などの「分野別番号」が機能していました。分野別にすることで、紛失や漏えいがあっても、番号を変えることで被害を最小限にできます。
ところが、マイナンバーは原則、生涯不変の番号です。だからこそ、その人のさまざまな情報をひもづけ・名寄せできますが、番号の変更は盗難等で不正利用のおそれがある場合に限られています。
誤登録しても、簡単に“ひもを切る”ことができず、ますますもつれる連鎖が起きます。
従来の分野別番号が機能していたのに、あえてマイナンバーをひもづけたことで“不便”になるという笑えない事態になっているのです。




大前提の段階で重大欠陥
政府はこれまで、マイナンバーカードの保険証利用を説明した文書で、「マイナンバーは用いず、マイナンバーカード内の電子証明書を用いる」としてきました。
マイナカードでの受診には、カードに内蔵した電子証明書の発行番号(シリアルナンバー)が本人確認に用いられます。
マイナカードで受診するまでの手続きはこうです(図参照)。
①健保組合などの医療保険者が、加入者の資格情報(被保険者番号)とマイナンバーをひもづけする②マイナカード発行の際、カードの発行番号にマイナンバーをひもづけする③マイナカードを保険証機能として登録すると、マイナンバーを介して、発行番号と資格情報とがひもづけられるーとなっています。
今回のトラブルは①でのミスによるものです。政府がマイナカードでの受診をする大前提の段階で、重大な欠陥が生じたことを示しています。
また、別人にマイナポイントが誤登録されていたトラブルも起きています。これは別人の発行番号にひもづけたことによるトラブルです。
トラブルは深刻です。いったん立ち止まりマイナンバーやマイナカードの冷静な検証が求められます。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年6月19日付掲載


兵庫県保険医協会事務局の伊地知浩平さんは「医療にかかわる情報は、命と健康にかかわるし、センシティブなもので、起きてはならないトラブルが起きている。10割負担になることは、患者さんの受療権に関わる一大事です」と。
マイナンバーのひもづけは、健保組合などの医療保険者で作業しています。マイナンバーの12ケタの数字は、属性や規則性などありません。数字の羅列と、特定の人の資格情報を間違いなく結びつけるのは至難の技。
誤登録しても、簡単に“ひもを切る”ことができず、ますますもつれる連鎖が起きます。
従来の分野別番号が機能していたのに、あえてマイナンバーをひもづけたことで“不便”になるという笑えない事態に。

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