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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ジェンダー平等へ向かう世界 エジプト遊牧民ベトウィン 権利向上求める女性② 救いのドライフルーツ

2022-01-12 07:10:51 | 国際政治
ジェンダー平等へ向かう世界 エジプト遊牧民ベトウィン 権利向上求める女性① 救いのドライフルーツ
エジプト北東部の聖カトリーナ修道院地域に暮らすオムスィリマンさん(35)の自宅の庭は、アーモンドやオリーブの木などの植物でいっぱいでした。カリンに似た果物マルメロが薄切りにされ、天日で干されていました。目の前で採ってもらった生のアーモンドを食べると、少ししっとりとした食感でほんのり甘みを感じます。
オムスィリマンさんは3年前、ドライフルーツやナッツを生産し、ツアー会社を通じて観光客らに販売する、ベドウィン女性たちの事業に参加しました。100人ほどの女性が携わっています。
事業に加わった理由を尋ねると、オムスィリマンさんは「厳しい貧困に陥り、働かないと生きるすべがなかった」と話します。ベドウィン社会では、女性が家の外で働くことは認められていないと言います。



カイロで開かれたフェスティバルでベドウィン女性がつくったドライフルーツなどを販売するザハラ・マグディさん


聖力トリーナ修道院地域のべドウィン女性らがつくっているドライフルーツなどの特産品

苦難が続き
オムスィリマンさんは暴力を振るう夫と離婚し、母親と暮らしています。離婚を決断したことで耐えがたい苦難が続きました。
「元夫はひどい男だった。だけどみんな私に結婚生活を強要しようとした。夫が何をしても妻は従わなければならないと考えている。とくに女性が求めた離婚は犯罪とみなされる。私は女性の尊厳と権利を傷つける不正義とたたかった」
村の年長者が取り仕切る「社会的な裁判」が行われました。「裁判」はオムスィリマンさんの権利を認めず、元夫の利益を守る決定を出しました。
「私を支えてくれる人はほかに誰もいなかった」。オムスィリマンさんは、ドライフルーツの事業を始めたザハラ・マグディさん(34)に救われました。
ザハラさんはエジプト北部マンスーラ出身で学生時代にこの地域を訪れ、その美しさに魅了されました。2017年に移住して事業を始めました。
当地には果物畑がたくさんあるのに生産量はごくわずかでした。ザハラさんは、果物の生産をベドウィンの収入につなげる手助けをしたいと思ったのと同時に、自由に働けない女性たちを支えたいと考えました。
「ベドウィンの女性たちと語り合い、彼女たちは情熱的で夢や希望を持って生きていることを知った。彼女たちには挑戦したい事がたくさんあるのにしきたりが許さない」
一方で、自由を望む女性もいれば、しきたりに忠実な女性もおり、さまざまな葛藤があるとザハラさんは言います。

権利を確信
オムスィリマンさんは「ザハラさんと出会ってどうすれば自分の力で生きていけるか考えた。彼女は私が自由に生きるべき女性であることを気づかせてくれた」と言います。
オムスィリマンさんは働き出してから勉強を始め、読み書きができるようになりました。幼いころ、父親は貧困のなかで教育を認めなかったと言います。
「女性の権利を確信したとき、自分自身を信じられるようになった。私は抑圧を受け入れない。女性には自分の人生を楽しむ権利がある」
(聖カトリーナ修道院地域=秋山豊 写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月10日付掲載


当地には果物畑がたくさんあるのに生産量はごくわずか。ザハラさんは、果物の生産をベドウィンの収入につなげる手助けをしたいと思ったのと同時に、自由に働けない女性たちを支えたいと考えました。
「ベドウィンの女性たちと語り合い、彼女たちは情熱的で夢や希望を持って生きていることを知った。彼女たちには挑戦したい事がたくさんあるのにしきたりが許さない」
一方で、自由を望む女性もいれば、しきたりに忠実な女性もおり、さまざまな葛藤があるとザハラさんは言います。
オムスィリマンさんは働き出してから勉強を始め、読み書きができるようになった。
「女性の権利を確信したとき、自分自身を信じられるようになった。私は抑圧を受け入れない。女性には自分の人生を楽しむ権利がある」

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