きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

迫るG20サミット① 貧困と格差 吸い上げられる富

2016-09-02 13:08:41 | 国際政治
迫るG20サミット① 貧困と格差 吸い上げられる富

中国の浙江(せっこう)省杭州市で9月4日~5日に20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれます。この会合は、世界的経済危機のリーマン・ショックを受け2008年11月に会合を開いて以来、今回で11回目になります。直面する世界経済の課題について考えます。

2015年、国際社会は貧困とたたかうための新たな取り組みを開始しました。同年9月25日に国連総会は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ(行動計画)」を採択。「誰一人として置き去りにしない」と誓い、17の持続可能な開発のための目標(SDGs)の下に169の課題を掲げ、極貧や飢餓を2030年夫までに根絶することなどを目指しています。



G20サミットのカウントダウンを見つめる人々=中国・杭州(ロイター)

ゆがむシステム
貧困対策は進み始めているものの、いまだに貧困は深刻な状況です。国連によると、世界では、7億9500万人が十分な食料を得ていません。5歳になる前に命を落とす子どもの45%が栄養不良によるものです。20億人以上が水不足に陥っており、世界の都市人口の30%に相当する8億8000万人が都市部のスラムで暮らしています。
この貧困状態が、経済成長率の高まりとともに解決されるというわけではありません。
世界90力国以上で貧困克服の支援をしているオックスファムは、今年1月に衝撃的な数値を発表しました。わずか62人の超富裕層の所有する資産が、世界の下層の人々の36億人分の資産と同額だというのです。
この62人が所有する富は、2010年からの5年間で45%増加しました。金額にすると1兆7600億ドル(176兆円)に達しました。その一方で、最貧層の富は同じ5年間で1兆ドル減ったのです。
世界の労働組合の集まり(L20)がG20サミットに先立って発表した声明も「トリクルダウン政策は、機能していない」と指摘しました。実際には税制を含めた経済システムが富裕層に有利になるようにゆがめられ、所得と富が猛スピードで上方に吸い上げられているのです。

果実はトップに
世界の経済・金融情勢について、有識者から意見を聞くために安倍晋三政権は今年3月、経済学者のスティグリッツ教授を招きました。会合の席でスティグリッツ教授は「成長の果実は一部のトップ層に偏って分配されている。格差は拡大し、賃金は停滞している」と警鐘を鳴らしました。
ところが安倍政権の経済政策の本質は、一握りの多国籍企業のために利益を国内外から吸い上げるというものです。誰一人、社会的に排除せず、包み込んでいくという国連の行動計画に逆行しています。
(つづく)(4回連載の予定)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年8月31日付掲載


安倍晋三氏が呼んだ経済界のブレインも、貧困と格差の拡大に警鐘を鳴らしているのだが…。当の安倍さんは、それに逆らった経済政策をとっている。

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