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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

地方志向の若い世代 島根県の中山間地域・識者に聞く③ 一人勝ちがない街づくり

2014-10-28 20:59:04 | 政治・社会問題について
地方志向の若い世代 島根県の中山間地域・識者に聞く③ 一人勝ちがない街づくり

住民が主人公となる地方再生のために何が必要なのでしょうか。島根県中山間地域研究センター研究統括監・藤山浩(ふじやま・こう)さんに聞きました。

県中山間地域研究センター 藤山浩さん
いま島根県の「田舎の中の田舎」に若い世代の定住の波が広がっています。中山間地域研究センターが実施した調査では、2008年から13年の5年間で、県内の中山間地域(小学校区・公民館区単位の218地区)の3分の1を超す73地区で4歳以下の子どもが増えています。



邑南町内を散歩する保育園児

定住対策の成果
子どもが増加した地域は山間部や離島が大半です。役所や大型店があるような中心部から離れたところで子どもが増えている地域が目立ちます。周辺部でこれだけ子どもの数が増えたことはこれまでありませんでした。人、自然、伝統のつながりがまだ息づいている「本格的な田舎」に向かっています。特に子育て世代の女性が自ら覚悟を決めて移住する傾向が強いとみています。
早い時期から過疎化が進んだ島根県において、住民と自治体が子育てや住宅、雇用など定住促進対策に取り組んできた結果です。
民間の研究機関である日本創成会議が「市区町村消滅」論を打ち出しました。中身を見て、会議のメンバーがはたしてどれだけ地域の最新の状況を掌握しているのか疑問に思いました。
「若者に魅力のある地域拠点都市」をつくるとしていますが、これは違うと思います。そもそも前提として、若い世代が依然として都市志向であるという古い価値観に根ざしたものだからです。とにかく集めるという考え方は改めるべきです。
分散と集中のあわせ技が大切です。具体的には、小学校区程度の小さな生活圏の中で、それぞれ地域社会の機能を整備していくやり方です。人・もの・エネルギー・情報をつなぐ中心広場、「郷(さと)の駅」と呼んでいます。今後は再生可能エネルギーの発電や災害時の防災拠点の役割も担うことができます。

ゆっくりの戦略
邑南町(おおなんちょう)の場合は12の小学校区・地区に分かれていますが、人口の動態を見ると、バランスの良さが特徴です。一人勝ちや一人沈みがない。そういう戦略的なまちづくりが重要です。
定住人口を増やし安定させるために、自治体が年に1%の人口を取りもどすということを提案しています。目標を設定し、そのために、地域ごとに何組、何人の定住が必要かという戦略を持つことです。
ただし、かつて都市がやったような性急さは禁物です。ゆっくりと一人ひとりを大切にできるペースでやらなければ意味がありません。一度にたくさんの人が入ってくれば、地域が対応できません。一人ひとりを大切にして心にとめておける社会。亡くなった後もその人の思いが残る社会。そういう社会のくらしを取り戻したいというのが、田舎に移り住んだ人たちに共通する動機だと考えるからです。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年10月25日付掲載


「一人勝ちしない」と言うから都市部の事かと思いきや、田舎どうしのことなのですね。
地域で受け入れられるだけの人数で、「ゆっくりが大切」とは、どこかの「○○特区」とは全く逆の発想ですね。
魅力ある田舎。それは、自然、農業、伝統産業、再生可能エネルギーなどなど色々でしょう。

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