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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

NHKと政治を問う③ 「独立性」外務省と覚書~世界で信頼されるBBC

2014-02-13 13:45:25 | 政治・社会問題について
NHKと政治を問う③ 「独立性」外務省と覚書~世界で信頼されるBBC

門奈 直樹(立教大学名誉教授、ジャーナリズム論)

公共放送にはもともといくつかの構成要件があります。「あらゆる地域の人にまんべんなく届く」「社会的弱者に特別の関心を払わなければならない」ことのほか、特に重要なのは「政府と距離を置かなければならない」ことです。
籾井勝人会長は就任会見で、「国際問題、領土問題では」と断りながらも「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」と述べました。NHKを公共放送とはみなさず、「国営放送」ととらえているに等しい認識です。
籾井氏の領土間題を含む「国際放送」論は、「国策宣伝放送」観に立脚しています。放送をプロパガンダ(特定の政策などの宣伝)、宣伝戦の一環としてとらえているところに大きな危険性があります。そうであれば国際的信用は得られません。公共放送が行う国際放送の理念を考え直す必要があります。



英国公共放送のBBC

「最初に選択」
近年、英国を中心にパブリック・デプロマシー(広報外交)の重要性が叫ばれています。
英国の公共放送の国際放送であるBBCワールドは、「正確さと独立性、権威ある、偏りのないニュースで世界の放送局の中で最初に選択される」という大きな目標を掲げています。臭体的には、「信頼性、開放性、公共性、創造性…の推進」「文化、言語、国境を越えた考えの交換の場を提供」などです。
その達成のため、BBCと英国外務省は、次のような覚書を交わしています。その主な点は以下です。
①BBCワールドサービスは編集・経営について完全な独立性を持つ②BBCは外務省が規定する対外放送サービスを提供する上で、最も効果的方法を独自で決定するー。これらのうち特に重要なのは「編集の独立性」です。
BBCワールドサービスの世界における影響力の源泉は、これまでの活動で培われた信頼であり、公平という評価です。
BBCが世界的信頼を得ているのは理由があります。米英を中心とした2003年からのイラク戦争をめぐっては、政治権力からさまざまな攻撃を受けましたが、「真実と正確さ、公共の利益への貢献、公正と見解の多様性、独立性、説明責任」の五つの原則を掲げた報道で、ジャーナリズムの価値を高めたことはその一例です。

大きな岐路に
いま国際放送のあり方を、BBCの精神とも比較して考えることは、籾井発言で揺れるNHKが、どういう道を歩むべきかの方向を探る大きな参考となるでしょう。
放送法が定める「健全な民主主義の発達」「放送による表現の自由の確保」をどう実現していくのか、いまのような体制やシステムでいいのか、NHKは大きな岐路に立たされています。(談)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年2月11日付掲載


NHKは、公共放送で「政府と距離を置く」必要があるのですが、視聴者の方が「国営放送」と言われても、「そうかな」って思ってしまうほど企画や放送内容が変質してきていると思います。
視聴者が直接NHKへ意見を上げて、NHKを本来の公共放送の立場に立たせていくことが大事でしょうね。

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