きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

文化人の抗議の声は希望 政権選びは命に関わること

2020-05-20 08:27:42 | 政治・社会問題について
文化人の抗議の声は希望 政権選びは命に関わること
劇作家・演出家 永井愛さんに聞く
ながい・あい 1951年生まれ。二兎社主宰。「鴎外の怪談」「こんばんは、父さん」「歌わせたい男たち」「ザ・空気」など作品多数。紀伊国屋演劇賞個人賞、鶴屋南北戯曲賞など受賞

2017年1月 後藤淳撮影

新型コロナ問題であらわになる日本の政治の現状、日増しに高まる芸術・文化の灯を消すなの声―。日本社会にはびこる病巣を舞台でいっかんして問題提起してきた劇作家・演出家の永井愛さんに聞きました。
(寺田忠生)

新型コロナの問題で、時の政権選びは私たちの命に関わること、命に直結していることだと改めて痛感しています。国民主権とはどういうことなのか、どういう政府が望ましいのか、これを機会に真剣に考えなければいけないと思います。
安倍政権の対策に関して、たとえば「アベノマスク」について、あるいは限られた世帯への30万円給付について、テレビのワイドショーなどでもコメンテーターやタレントの方が批判する場面がしばしばありました。他の国の政策と比べて日本の対策がいかに遅れているのかもわかりやすくなってきて、ある程度客観的に見られるようになっています。
日本社会では国政上の大問題について、テレビでタレントなどが時の政権の方針を批判するのは“ご法度”の風潮がありました。いま、変化の兆しが見えています。かつてないほど多くの文化人や芸能人がSNSなどを通して、検察庁法改正案に抗議の声をあげていることは、今後につながる希望です。この感覚を、私たちは忘れないでいたい。いったいこの国の政府がどういう方向を向いているのかを考え、主権者は私たちだという民主主義に目覚める大きな機会になればと思っています。

出し惜しみの政権
3月末に政府に提出した「舞台芸術関係者に対する適切な補填を求める要請」では、若い演劇関係者も含めて率先して動き、賛同者も大きく広がりました。とても頼もしい動きだと思います。裏を返せば、日本の舞台芸術が、いかにギリギリの状態で日頃の活動を余儀なくされているかの証しでもあります。
「文化芸術基本法」(2001年制定)には、文化芸術について「心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与する」と書いてあります。そのうえで、日本文化の環境については「十分な状態にあるとはいえない」との認識も示しています。だからこそ、文化芸術の振興が必要だということです。自公政権下でつくられたものです。しかし、その後も文化芸術は日本では長きにわたって冷遇されてきました。そこに今回のコロナによる公演中止・自粛です。
舞台芸術は、発表の時にはすでに稽古も終え、多くは1年以上前から準備して、膨大なお金がすでにそのときには出ていっているわけです。興行を中止して、その部分だけに被害が出るわけではありません。
しかし、安倍政権はこの期に及んでも、あくまで補償を“出し惜しみ”していますよね。どうやったらお金を出さないで済むかを考えているとしか思えない。芸術文化に限ったことではなく、医療に対しても、暮らし、営業に対しても全く同じです。

狡猾で危険な動き
ドイツの文化相が「芸術家は必要不可欠であるだけでなく生命維持に必要なのだ」と宣言したことを、私は改めて驚きをもってうけとめました。芸術文化への政治の取り組み一つとっても、日本とこんなに意識に差があるのか。もちろん、以前から気づいていたことではあるけれども、今回は図らずも、あまりに大きな差が露呈している気がします。
演劇は小さなメディアではあるけれども、作り手が誰にも忖度することなく表現できる、日本では非常に貴重な場です。本音の言える領域でもあり、いろんな意味で表現の実験場を担っていると思います。今の政権にとってはありがたくない存在かもしれません。舞台芸術による表現が失われることは国民にとって大きな損失です。
安倍政権は、今回の事態で非常に間抜けな部分を世界に露呈していますが、一方では非常に狡猾に、このすきに国民にとっての重要法案を通そうとしています。感染拡大に乗じた改憲の動きを強めていることも見過ごせません。
「この人たちに日本の政治を任せていていいんですか」と声を上げ行動する、大きな段階にきていると思います。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年5月18日付掲載


テレビでタレントなどが時の政権の方針を批判するのは“ご法度”の風潮がありました。いま、変化の兆しが。
Twitterのハッシュタグで「#検察庁法改正案に抗議します」は、なかなかのものです。反対でなくって抗議とちょっと引いたイメージ、しかも「します」と丁寧語がついている。
たった1週間で情勢が一変した。
ドイツの文化相が「芸術家は必要不可欠であるだけでなく生命維持に必要なのだ」と宣言。
日本の政治との落差を感じる。
だからこそ、国民に寄り添う政権を選ぼう。


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