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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

朝鮮半島の激動と北東アジアの平和① 南北、米朝会談 「歴史の方向変えた」

2018-08-20 08:46:39 | 国際政治
朝鮮半島の激動と北東アジアの平和① 南北、米朝会談 「歴史の方向変えた」
「南北間の『板門店宣言』と米朝首脳会談を通じて、南・北・米の首脳は歴史の方向を変えた」
米朝首脳会談から1カ月後の7月13日。韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領はシンガポールで行った講演でこう述べ、「南北関係の正常化は米朝関係の正常化につながり、日朝関係の正常化につながる。日朝関係の正常化は、朝鮮半島の平和と北東アジアの平和と安定に大きく寄与する」と強調しました。シンガポールは歴史的な米朝首脳会談の開催地です。



南北アジア研究所で演説する韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領=7月13日、シンガポール(ロイター)

歴史的地点
米朝首脳会談から2カ月が経過した現在、米韓合同軍事演習は中止され、7月6~7日にはポンペオ米国務長官が訪朝して非核化合意の具体化に向けた高官級協議が始まりました。朝鮮戦争で戦死した米兵遺骨の返還も行われ、式典が在韓米軍基地内やハワイで行われました。(1日)
北朝鮮に対する経済制裁は維持されていますが、南北間では戦争での離散家族の面会事業や鉄道の連結事業もはじまり、韓国のテレビ局JTBCが北朝鮮に支局を開設する動きも進んでいると報じられています。
9月には今年3回目の南北首脳会談が開かれます。
こうした現状をどう見るのか。7月26日、日本記者クラブで講演した韓国の保守系シンクタンク・世宗(セジョン)研究所の陳昌洙(カンチャンス)日本所長は、「韓国政府は(米朝)首脳が会ったこと自体がこれからの平和プロセスに入る歴史的地点だと考えています。いまの焦点は朝鮮戦争の終戦宣言。9月の国連総会でできればいいと思っているが、時期は不透明です」と解説しました。
一方で、「本当に非核化が進むのか。日本や米国では悲観的な見方が強い」ことを認めつつ、「楽観的な立場も悲観的な立場もいまだ存在するが、冷戦時代から新冷戦時代に移るのはもう無理だ」「互いが信じることができれば、そこで協力し、お互いが利益を得ることがいい。一番いいのは、韓半島が平和体制を保って、そこから北東アジアの新しいルールを日本と韓国が一緒になってつくることだ」と力説しました。



共同声明を記者団に見せるトランプ米大統領(右)と金正恩・北朝鮮国務委員長=6月13日、シンガポール(ロイター)

地域全体に
日本共産党の志位和夫委員長は同11日の日本共産党創立96周年記念講演会で、米朝、南北会談を受けて始まった平和のプロセスの進展で「北朝鮮の脅威」を口実に進められた「戦争する国づくり」は根拠を失うと強調。そのうえで平和のプロセスがある程度進展したときに「北東アジア地域全体の平和体制をどうするか―この地域の多国間の安全保障メカニズムをどう構築するか」が問題になるとし、日本共産党がASEAN(東南アジア諸国連合)の経験と実践に学んで打ちだした「北東アジア平和協力構想」を紹介しました。
その核心は、紛争を話し合いで解決することを定めた,TAC(東南アジア友好協力条約)の北東アジア版を地域に広げ、北東アジアに平和の共同体を実現することにあります。


韓国、ASEANを重視
ASEAN(東南アジア諸国連合)は、紛争を武力で解決しないというTAC(東南アジア友好協力条約)を中心に、対話による平和外交を実践し、平和の地域共同体づくりで成果を上げてきました。


東南アジア研究所で演説後、シンガポール人のテオ副首相と壇上に並ぶ韓国の文在寅大統領=8月13日、シンガポール(ロイター)

いま韓国も安保外交面でASEANとの関係強化を強調しています。文在寅大統領は、7月13日のシンガポールでの講演後の質疑で「ASEANとの関係を韓国周辺の米中日露の周辺4大国レベルに格上げする」と強調。その中で「韓国とASEANの関係を経済的観点だけから見ていない」「外交・安保など全分野で協力を高めていく」と述べ、昨年来の「新南方政策」を改めて強調しました。
韓国がいまASEANとの協ASEAN(東南アジア諸国連合)は、紛争を武力で解決しないというTAC(東南アジア友好協力条約)を中心に、対話による平和外交を実践し、平和の地域共同体づくりで成果を上げてきました。
いま韓国も安保外交面でASEANとの関係強化を強調しています。文在寅大統領は、7月13日のシンガポールでの講演後の質疑で「ASEANとの関係を韓国周辺の米中日露の周辺4大国レベルに格上げする」と強調。その中で「韓国とASEANの関係を経済的観点だけから見ていない」「外交・安保など全分野で協力を高めていく」と述べ、昨年来の「新南方政策」を改めて強調しました。
韓国がいまASEANとの協力重視を打ち出した背景に何があるのか。
韓国の建国大学の金容民(キム・ヨンミン)助教授は、「ASEAN重視については、現在の重要性、未来の可能性、(大国との関係だけでない)外交の多変化が言われている。特にASEANで政治安保共同体の設立を目指し、北朝鮮との平和に積極的に利用しょういう考えがある」と指摘。「今までの北との話し合いと違い、経済的メリットを北に与えないと真の平和は達成できないというのが文政権の中心的な考えだ」と語ります。

開始された平和のプロセス―この歴史的事業が成功したら北東アジアと日本の情勢にどんな展望が開かれるのかを探っていきます。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年8月15日付掲載


この間の朝鮮半島をめぐる核戦争の緊張緩和に、韓国の果たした役割は大きいのですね。

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