新型コロナ エアロゾル感染防ぐ 夏の換気を効果的に4
北海道大学教授 林 基哉さんに聞く
新型コロナウイルスの感染者が各地で過去最多となっています。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は14日、「感染拡大防止のための効果的な換気について」というオミクロン株に対応した提言を出しました。提言の作成に協力した北海道大学教授の林基哉さんにポイントを聞きました。
(染矢ゆう子)
夏は室内と外の温度差が小さく、隙間からの換気はほとんどありません。冬は暖房をつけると、室外との温度差が大きいので隙間から自然換気が起きやすくなります。夏は換気扇を作動させたり、窓を開けて風が入ったりしなければ、換気量が少なくなるので、注意が必要です。また、ほとんどのエアコンは、換気の機能はありません。冷房が効いていると鼻が鈍くなり、空気の汚れも感じにくくなります。
新型コロナの流行を防ぐためには、ウイルスを含むエアロゾル(空気中を浮遊する粒子)を吸い込まないよう十分な換気を行いましょう。
発生量多い激しい運動
1月に選手全員や審判などの大会関係者、観客の計172人が感染した北海道釧路市のアイスホッケーの試合では、感染者が多く発生した観客の座席へ、リンクからの空気の流れが確認されました。観客への感染拡大はエアロゾル感染以外では説明できないと考えられました。
アイスホッケーなどの激しい運動は、通常より多いエアロゾルが発生します。
飲み会などでマスクを外し大声で話す場合も、同じように多くのエアロゾルが発生します。飲み会ではアイスホッケーの試合(20分間3セット)よりも長い時間、エアロゾルを吸い込む場合があります。
機械動かし窓二方開け
新型コロナのエアロゾル感染を防ぐためには、ウイルスを含むエアロゾルが室内に充満することを換気によって防ぐことに加え、“風下での対策”が重要です。
まず換気を確保するためには、機械換気のシステムがあれば作動させます。ない場合は、できる限り二方向の窓を開けます。
風下を守る空気の循環
風下の対策も重要です。多くの人が話す場などエアロゾル発生が多いエリアでは、その近くから排気して、風下の人にエアロゾルが及ばないようにすることが望まれます(図参照)。新型コロナに感染した人の風下にいると、ウイルスを多く含む大きなエアロゾルを吸い続けることになり、感染確率が高くなります。このような風下感染を防ぐために、空気を循環させるサーキュレーターを首振りにしたり、エアコンをスイングさせることも効果的です。
窓や換気扇のない部屋は
窓や換気扇がない部屋では、高性能のフィルター(HEPA)がついた空気清浄機を利用したり、人数を制限したりします。
提言では、パーティション(仕切り)の置き方にも注意を促しています。
集団感染の起きたコールセンター4カ所に調査に入りましたが、どこも全員がマスクをし、ポックスパーティションで3方向を区切っていました。机のパーティションで囲まれた範囲に、別の人が近づいたことで感染した可能性が考えられました。東京工芸大学が行った実験では、パーティションで区切られた空間に空気がこもることがわかりました。パーティションを置くときは、3方向をふさがないなど、空気の流れを阻害しないことを提言では呼びかけています。天井からつるすビニールカーテンなど、排気を遮るものもなくしましょう。
簡単に知る空気の流れ
空気がスムーズに流れるかは、スモークテスターや線香の煙で確認できます。空気がこもる場合は、ファンの強さや位置を調整して、よどみを解消します。簡単に空気の流れを確かめるには、ティッシュを落としたり、糸をたらす方法も便利です。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年7月26日付掲載
夏は室内と外の温度差が小さく、隙間からの換気はほとんどない。夏は換気扇を作動させたり、窓を開けて風が入ったりしなければ、換気量が少なくなるので、注意が必要。
まず換気を確保するためには、機械換気のシステムがあれば作動させます。ない場合は、できる限り二方向の窓を開ける。
風下の対策も重要です。多くの人が話す場などエアロゾル発生が多いエリアでは、その近くから排気して、風下の人にエアロゾルが及ばないようにすることが望まれる。
窓や換気扇がない部屋では、高性能のフィルター(HEPA)がついた空気清浄機がいいとか。
スモークテスターや線香の煙で空気の流れを確認できると。
北海道大学教授 林 基哉さんに聞く
新型コロナウイルスの感染者が各地で過去最多となっています。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は14日、「感染拡大防止のための効果的な換気について」というオミクロン株に対応した提言を出しました。提言の作成に協力した北海道大学教授の林基哉さんにポイントを聞きました。
(染矢ゆう子)
夏は室内と外の温度差が小さく、隙間からの換気はほとんどありません。冬は暖房をつけると、室外との温度差が大きいので隙間から自然換気が起きやすくなります。夏は換気扇を作動させたり、窓を開けて風が入ったりしなければ、換気量が少なくなるので、注意が必要です。また、ほとんどのエアコンは、換気の機能はありません。冷房が効いていると鼻が鈍くなり、空気の汚れも感じにくくなります。
新型コロナの流行を防ぐためには、ウイルスを含むエアロゾル(空気中を浮遊する粒子)を吸い込まないよう十分な換気を行いましょう。
発生量多い激しい運動
1月に選手全員や審判などの大会関係者、観客の計172人が感染した北海道釧路市のアイスホッケーの試合では、感染者が多く発生した観客の座席へ、リンクからの空気の流れが確認されました。観客への感染拡大はエアロゾル感染以外では説明できないと考えられました。
アイスホッケーなどの激しい運動は、通常より多いエアロゾルが発生します。
飲み会などでマスクを外し大声で話す場合も、同じように多くのエアロゾルが発生します。飲み会ではアイスホッケーの試合(20分間3セット)よりも長い時間、エアロゾルを吸い込む場合があります。
機械動かし窓二方開け
新型コロナのエアロゾル感染を防ぐためには、ウイルスを含むエアロゾルが室内に充満することを換気によって防ぐことに加え、“風下での対策”が重要です。
まず換気を確保するためには、機械換気のシステムがあれば作動させます。ない場合は、できる限り二方向の窓を開けます。
風下を守る空気の循環
風下の対策も重要です。多くの人が話す場などエアロゾル発生が多いエリアでは、その近くから排気して、風下の人にエアロゾルが及ばないようにすることが望まれます(図参照)。新型コロナに感染した人の風下にいると、ウイルスを多く含む大きなエアロゾルを吸い続けることになり、感染確率が高くなります。このような風下感染を防ぐために、空気を循環させるサーキュレーターを首振りにしたり、エアコンをスイングさせることも効果的です。
窓や換気扇のない部屋は
窓や換気扇がない部屋では、高性能のフィルター(HEPA)がついた空気清浄機を利用したり、人数を制限したりします。
提言では、パーティション(仕切り)の置き方にも注意を促しています。
集団感染の起きたコールセンター4カ所に調査に入りましたが、どこも全員がマスクをし、ポックスパーティションで3方向を区切っていました。机のパーティションで囲まれた範囲に、別の人が近づいたことで感染した可能性が考えられました。東京工芸大学が行った実験では、パーティションで区切られた空間に空気がこもることがわかりました。パーティションを置くときは、3方向をふさがないなど、空気の流れを阻害しないことを提言では呼びかけています。天井からつるすビニールカーテンなど、排気を遮るものもなくしましょう。
簡単に知る空気の流れ
空気がスムーズに流れるかは、スモークテスターや線香の煙で確認できます。空気がこもる場合は、ファンの強さや位置を調整して、よどみを解消します。簡単に空気の流れを確かめるには、ティッシュを落としたり、糸をたらす方法も便利です。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年7月26日付掲載
夏は室内と外の温度差が小さく、隙間からの換気はほとんどない。夏は換気扇を作動させたり、窓を開けて風が入ったりしなければ、換気量が少なくなるので、注意が必要。
まず換気を確保するためには、機械換気のシステムがあれば作動させます。ない場合は、できる限り二方向の窓を開ける。
風下の対策も重要です。多くの人が話す場などエアロゾル発生が多いエリアでは、その近くから排気して、風下の人にエアロゾルが及ばないようにすることが望まれる。
窓や換気扇がない部屋では、高性能のフィルター(HEPA)がついた空気清浄機がいいとか。
スモークテスターや線香の煙で空気の流れを確認できると。
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