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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

第2次世界大戦終結70年 第4部 安倍新談話 波紋と矛盾⑤ 背景に極右の突き上げ

2015-04-23 11:55:30 | 平和・憲法・歴史問題について
第2次世界大戦終結70年 第4部 安倍新談話 波紋と矛盾⑤ 背景に極右の突き上げ

新談話につながる歴史認識そのものが問われるのが、東京裁判への態度です。
「サンフランシスコ(講和)条約11条は、(東京裁判判決の)主文は受け入れているが、(判決)理由中の判断に拘束されるいわれはない」
自民党の稲田朋美政調会長の発言です(有識者会合発足前日の2月24日)。
戦争指導者への「死刑」を宣告するなどした判決の「主要部分」は受け入れたが、その前提となる事実認定は受け入れないと宣言したのです。



東京・秋葉原駅前の安倍首相の街頭演説に集まった聴衆=2014年12月13日

病的な世界観
元外務省高官の一人は、「自分が国際社会に対し、『その基本秩序を私たちは壊しますよ』と言っていることがわかっているのか」と批判。「侵略を受けた相手の立場に一切立たない。こういう世界観は一種病的だ。国際社会で生きていく資格はない」と強く憤慨します。
自民党議員の一人は「稲田氏も首相から頼まれて言っているし、もともとそういう考えだ。アメリカの批判はわかったうえで誰かがそれを言わねばならない。ぶれたら首相も猛烈な拍手を送る右翼や支持者との関係でもたない」と指摘。背景に右翼層、「靖国」派総本山・日本会議の突き上げがあると示唆します。安倍首相の「歴史修正主義」を警告した米議会報告書は、昨年に続き2年連続で「日本会議」の存在に言及。首相自身がそこに帰属することに注目しています。
日本会議の中心に位置する靖国神社。元宮司の湯沢貞氏は1970年代に神社総代会がA級戦犯合祀(ごうし)を了承した際、「A級戦犯だけ合祀しないのは極東裁判(東京裁判)を認めたことになる。戦争責任者として合祀しないのならば、決定をした神社の責任が重くなる」と判断したことを紹介しています(『正論』2005年8月号)。「東京裁判を認めない」、その意思表示としてA級戦犯合祀が行われたとの告白です。
安倍首相自身も、「サンフランシスコ平和条約11条でいわゆるA級、B級、C級といわれた人たちの犯罪者扱いを約束したものでは全くない」(06年10月8日、衆院予算委)と述べています。

ガラパゴス化
別の元外務省高官は述べます。
「70年間動かない戦争に対する受け止めが実態としてある。それを法技術的議論で崩せると思ったら、日本はガラパゴス化し、全く勝ち目のないたたかいに突入する。稲田氏が単なる右翼へのガス抜きならいいが、安倍首相がもし本当にそれでいこうというなら、完全にギブアップだ」
(おわり)(この連載は中相寅一が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年4月21日付掲載


自民党の街頭演説で聴衆が一斉に日の丸を振り回す。普通にみると異常な光景ですが、「靖国」派からすれば身震いする想いなのでしょうね。
かつての戦争を「自存自衛」の戦争、アジア開放のための戦争とする思想が、その根底にあるのです。

コメント
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