きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ベネズエラ 国民の選択⑤ 新政権の“閣議”~国民の声を聞こう

2013-05-20 22:11:20 | 国際政治
ベネズエラ 国民の選択⑤ 新政権の“閣議”~国民の声を聞こう

「町に出て国民の声を聞こう」
マドゥロ大統領が新政権の閣僚と与党系知事に提案したのは、国民と直接対話しながら、“閣議”を開くことでした。
4月末から早速実践が始まりました。閣僚は33人。25歳の女性問題相もいます。

大統領を遮り
カプリレス野党候補が知事を務めるミランダ州では、地域や労働組合の活動家100人余と対話。道路や地下鉄建設の計画書を読み上げる大統領に会場から「待った」がかかりました。
「建設はいいが環境破壊や汚染が深刻だ。住民は市や国に何度も訴えているのに会おうともしない」
「本当なのか」と環境相を問い詰める大統領。「意見はわかった。建設相に検討させる。あなた方が承認しないかぎり、計画にサインしない」
すると会場の別のグループから「ノー」の声が上がりました。結局、推進派と環境派の代表と建設、環境両相が改めて相談することになりました。
労働者の権利拡大に関する新措置を説明する大統領を遮って、発言を求めたのは民間企業の労組委員長です。“組合員350人の住宅ローンの審査が滞っている。結論を先延ばしにする官僚主義だ”との批判でした。労働相は翌日、労組の代表8人と会う約束をしました。
西部スリア州では、企業経営者との対話が注目されました。大統領は工業生産の向上に全力を挙げたいと表明。将来の経済体制について意見が違っても、必需物資の不足など当面の緊急課題の解決に協力を求めました。
経営者側からは、外貨取得の承認の遅れや、政府の過剰統制、労使関係の悪化など問題点や要求がだされました。



マドゥロ大統領の就任式のため地方からきた人たち=4月19日、カラカス

工業生産停滞
工業生産の停滞は、新政権が抱える最大の問題です。たとえば4月7日付のウニベルサル紙によると、自動車の国内生産(組み立て)は、2006年の17万台から12年には10万台に低下。25万台の生産能力の4割しか使われていないのは、部品の輸入統制が原因といいます。
ポリバル大学のF・アリバス元教授は「1980年代から始まった工業生産の低下が止まらないのは事実。全部がチャベス政権の責任ではないが、石油価格上昇のチャンスを生産向けの投資に生かせず、石油依存構造からの脱却も果たせなかったことは残念」と指摘します。
国際機関の予測では今年2%成長の見通しですが、「毎月新しい計画が発表されるような無計画な経済運営を続ければ、変革の衰退と崩壊は避けられない」とアリバス氏は警告します。(カラカス=田中靖宏 写真も)(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年5月16日付掲載



閣僚と労働組合活動家との直接の対談。忌憚のない意見の言い合い。これはいい雰囲気ですね。
石油の輸出で外貨を稼いできていたのに、それに陰りが見え始めているのですね。
産業構造を改革していく取組もひつようなんでしょうね。
コメント
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