消費税増税と自民党型政治⑨ 大企業栄え生活が壊れる
年金・医療・介護など社会保障制度のあらゆる分野で国民に負担増・給付削減を押しつける攻撃が始まっています。消費税増税法と一体に可決した「社会保障制度改革推進法」は、憲法25条の生存権保障の立場を否定し、各制度の改悪を推進する、社会保障解体宣言ともいうべき悪法です。
この法律にもとついて設置された社会保障制度改革国民会議。11月30日に初会合が開かれ、野田佳彦首相は冒頭、次のように述べました。
「この国民会議は、社会保障の残された課題についてさらに議論を進め、一つひとつ道筋をつけていくために、3党合意に基づく改革推進法によって設置された大変重要な会議であります」
野田首相のいう「残された課題」について、消費税増税と社会保障改革の切り離しを指南した経団連は、11月20日に「社会保障制度改革のあり方に関する提言」を発表。社会保障の全面改悪の方向を示しています。
介護報酬の再改定を求めてデモ行進する集会参加者=10月8日、東京都千代田区
国民脅しつけ
提言は「民間企業は、これ以上の社会保険料負担の増加に耐えることができない」と強調。「一刻も早く、社会保障給付の効率化・重点化」が必要だとして、「痛みを伴う改革を国民が受け入れない限り、わが国財政のひっ迫要因が解消せず、国民のセーフティーネットは維持できなくなる」と、国民を脅しつけています。
医療保険については「民間保険に委ねるなど、公的保険に過度に依存するあり方を見直す」ことを求めています。さらに、高齢化の進行に伴う医療費の伸びを抑制するための「施策も検討すべきである」とし、「高齢者もその負担能力に応じ、適切な自己負担や保険料を求める必要」があるとして、高齢者への負担増も提起しています。
介護については、保険で賄う範囲の「再検討が必要となる」と指摘。「給付の重点化を検討していく必要がある」として給付の削減を求めています。利用者負担の見直しも強調しています。
年金については、「当面は、給付の効率化・重点化を中心に、制度の見直しを進めていくべきである」としています。「公的年金の給付減には、自助努力による備えで対応できるよう、私的年金の充実を同時に図る」とも強調しています。
税率「19%」
経団連が5月15日に発表した提言(「成長戦略の実行と財政再建の断行を求める」)では、消費税率を19%にまで引き上げるシナリオを提示。その一方で、社会保障費については、「社会保障給付の自然増を毎年2000億円抑制」することを求めています。経済同友会の長谷川閑史(やすちか)代表幹事も1月31日の記者会見で、「(年間)1兆円を超える(社会保障費の)自然増をどう抑制するのか、本格的なメスを入れない限り改革とは言い難い」と強調しています。
消費税増税によって社会保障が拡充されるどころか、社会保障制度そのものが危機にひんしています。人間らしい生活が壊されてしまいます。
一方、経団連は法人税の一層の減税を求めています。10月5日に発表した13年度の「税制改革」提言では「消費税法改正法の成立を踏まえ取り組むべき重要課題」として、「わが国では、早期に、法人実効税率のさらなる引き下げを実現する必要がある」と強調しました。
今年度から引き下げられた法人実効税率(現在約38%)を「最終的にはアジア近隣諸国と均衡する水準、すなわち約25%を目指し、遅滞なく、さらなる減税への道筋をつけることが不可欠である」と露骨に要求しています。
「財界中心」の政策では、大企業が栄えて、人々の生活が壊れる、という事態を招いてしまいます。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年12月8日付掲載
高齢化が進んでいるのだから、社会保障にお金がかかるのは当然なんですけどね。要は負担の分担をどうするかって事ですね。負担能力に応じて社会保障を支えるようにしていかいといけませんね。
永年、日本を支えてきた人たちを、社会全体でその生活を保障してあげるってことは、当然の政治の責任じゃないでしょうか。
年金・医療・介護など社会保障制度のあらゆる分野で国民に負担増・給付削減を押しつける攻撃が始まっています。消費税増税法と一体に可決した「社会保障制度改革推進法」は、憲法25条の生存権保障の立場を否定し、各制度の改悪を推進する、社会保障解体宣言ともいうべき悪法です。
この法律にもとついて設置された社会保障制度改革国民会議。11月30日に初会合が開かれ、野田佳彦首相は冒頭、次のように述べました。
「この国民会議は、社会保障の残された課題についてさらに議論を進め、一つひとつ道筋をつけていくために、3党合意に基づく改革推進法によって設置された大変重要な会議であります」
野田首相のいう「残された課題」について、消費税増税と社会保障改革の切り離しを指南した経団連は、11月20日に「社会保障制度改革のあり方に関する提言」を発表。社会保障の全面改悪の方向を示しています。
介護報酬の再改定を求めてデモ行進する集会参加者=10月8日、東京都千代田区
国民脅しつけ
提言は「民間企業は、これ以上の社会保険料負担の増加に耐えることができない」と強調。「一刻も早く、社会保障給付の効率化・重点化」が必要だとして、「痛みを伴う改革を国民が受け入れない限り、わが国財政のひっ迫要因が解消せず、国民のセーフティーネットは維持できなくなる」と、国民を脅しつけています。
医療保険については「民間保険に委ねるなど、公的保険に過度に依存するあり方を見直す」ことを求めています。さらに、高齢化の進行に伴う医療費の伸びを抑制するための「施策も検討すべきである」とし、「高齢者もその負担能力に応じ、適切な自己負担や保険料を求める必要」があるとして、高齢者への負担増も提起しています。
介護については、保険で賄う範囲の「再検討が必要となる」と指摘。「給付の重点化を検討していく必要がある」として給付の削減を求めています。利用者負担の見直しも強調しています。
年金については、「当面は、給付の効率化・重点化を中心に、制度の見直しを進めていくべきである」としています。「公的年金の給付減には、自助努力による備えで対応できるよう、私的年金の充実を同時に図る」とも強調しています。
税率「19%」
経団連が5月15日に発表した提言(「成長戦略の実行と財政再建の断行を求める」)では、消費税率を19%にまで引き上げるシナリオを提示。その一方で、社会保障費については、「社会保障給付の自然増を毎年2000億円抑制」することを求めています。経済同友会の長谷川閑史(やすちか)代表幹事も1月31日の記者会見で、「(年間)1兆円を超える(社会保障費の)自然増をどう抑制するのか、本格的なメスを入れない限り改革とは言い難い」と強調しています。
消費税増税によって社会保障が拡充されるどころか、社会保障制度そのものが危機にひんしています。人間らしい生活が壊されてしまいます。
一方、経団連は法人税の一層の減税を求めています。10月5日に発表した13年度の「税制改革」提言では「消費税法改正法の成立を踏まえ取り組むべき重要課題」として、「わが国では、早期に、法人実効税率のさらなる引き下げを実現する必要がある」と強調しました。
今年度から引き下げられた法人実効税率(現在約38%)を「最終的にはアジア近隣諸国と均衡する水準、すなわち約25%を目指し、遅滞なく、さらなる減税への道筋をつけることが不可欠である」と露骨に要求しています。
「財界中心」の政策では、大企業が栄えて、人々の生活が壊れる、という事態を招いてしまいます。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年12月8日付掲載
高齢化が進んでいるのだから、社会保障にお金がかかるのは当然なんですけどね。要は負担の分担をどうするかって事ですね。負担能力に応じて社会保障を支えるようにしていかいといけませんね。
永年、日本を支えてきた人たちを、社会全体でその生活を保障してあげるってことは、当然の政治の責任じゃないでしょうか。