日常のあれこれをそこはなとなく

料理、わんことの日々、海外ミステリを中心とした読書、ソフトバンクホークス、JAZZなどを書いていきます。

ボックス21

2019-01-15 05:31:33 | 読書
アンディシュルースルンドの『ボックス21』を読みました。



ストックホルムのアパートで若い女性の悲鳴がするとの通報で警察が駆けつけると、背中を鞭で打たれ、腕も骨折して瀕死の状態で発見されました。ところが、アパートの入り口で立ちはだかる男は、ここはリトアニア領で外交官特権があると言って入室を拒みます。応援を要請されたグレーンス警部は、男を倒して女性を救出します。女性はリトアニアから連れてこられた売春婦で、ポン引きの男に監禁状態で客を取らされていたのでした。



女性は一命を取り留めますが、入院先の病院で医者と実習生を人質に監禁するという事件を起こします。グレーンス警部はこの事件の担当にあたりますが、犯人の女性の要求がよくわかりません。

話題作の『熊と踊れ!』『兄弟の血』などの作者のデビュー2作目です。前作『制裁』で登場したグレーンス警部のシリーズ2作目でもあります。彼の葛藤と、その秘密に迫ろうとする同僚の苦悩が描かれています。バルト3国から騙されてスウエーデンにやって来る少女たちにスポットを当てた社会派の作品にもなっています。北欧の冬の重苦しい雲のように、ダークなトーンで描かれた作品でした。
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