映画『ラウンド・ミッドナイト』を見ました。
テナー・サックスの名手デイル・ターナーはパリのライブハウス、ブルーノートにやって来ました。酒やドラッグに蝕まれた彼は明らかに体調を崩していますが、いざ演奏が始まると流石のパフォーマンスを見せます。彼の周囲の人間や店は彼に決して酒を出そうとしません。デイルはこのパリで彼に心酔する貧しいデザイナー、フランシスと知り合います。店に入るお金がないフランシスをデイルは古い友人だと言って招待しました。
隙を見ては泥酔して病院に担ぎ込まれるデイルを、フランシスは献身的に世話します。そんなフランシスや彼の娘のべランジェールとの交流からデイルは次第に立ち直り、曲作りや演奏に励むようになって行きます。
この映画の何と言っても圧巻なのは、演奏シーンです。ライブ録音にこだわったという演奏シーンは、その息遣いまで感じられる素晴らしい物になっています。メンバーも主演のデクスター・ゴードンはもちろん、音楽全体を担当したハービー・ハンコック、ロン・カーター、ウエイン・ショーターなど、錚々たる面々による素晴らしい演奏です。これだけでも見る価値があります。演技は素人のはずのデクスター・ゴードンの演技も素晴らしかったです。個人的にはべランジェールがとっても可愛かったです。