雑誌ブルータスが2号にわたって村上春樹の特集しています。
上巻は「読む。」編として、村上春樹の読書遍歴、そして著作にスポットを当てています。下巻は「聴く。観る。集める。食べる。飲む。」編で、彼のこだわりのライフスタイルに迫っています。上巻の特集は「手放せない、51冊の本について」というもので、作家村上春樹を作ってきた本が丁寧に紹介されています。51冊というキリの悪い数字になったのは、編集部から50冊というリクエストがあったのに、どうしても絞り込めなかったという事でした。アメリカ文学とミュージシャンの自伝がたくさん含まれていて、僕が読んだことがあったのは4冊だけでした。
膨大な著作リストです。小説、エッセイはもちろんですが、驚くのは翻訳の多さです。小説とエッセイは、数冊を除いて読んでいますが、翻訳は半分ちょっとというところです。彼は長編小説、短編小説、翻訳をサイクルで回しているというのを読んだ事がありますが、村上春樹の仕事のかなりの部分が翻訳である事がよくわかります。
下巻では、音楽、映画、コレクション、料理などについて紹介されています。ジャズについては、小説の中でもよく出て来ますし、エッセイを読むと世界中のレコード店を訪問してはコレクションしている様子がよく出て来ます。数年前には、いつのまにか集まってしまったTシャツの本も出しています。さらに彼はトライアスリートでマラソンランナーです。それらのあれこれの中で、特集はクラシックレコードについて扱っています。
この時期に村上春樹の特集をしたのは、ノーベル文学賞の時期だった事もあるでしょうし、早稲田大学に村上春樹の寄贈した書籍とレコードを収めた村上春樹ライブラリーができたこともあると思います。村上春樹ライブラリーはいずれ行ってレポートします。