仮 定 さ れ た 有 機 交 流 電 燈

歴史・文化・環境をめぐる学術的話題から、映画やゲームについての無節操な評論まで、心象スケッチを連ねてゆきます。

お地蔵さんへの語りかけ

2006-03-27 07:10:28 | ※ 環境/文化研究会 (仮)
環境/文化研究会(仮)の合宿については、まだまだ書きたいことがたくさんあります。しかし、閑話休題もいろいろ挿入してしまっていますので、同会関係の話題を集めたカテゴリーを作りました。根城の会でもありますので、『六韜』類別とは異質になりますがご了承ください。

さて今回は、清水町の信仰に関する素描の二つめ。蘇理さんにご案内いただいて散策しているあいだ、何度か初午のお祝いの場に出くわしました。
いちばん大規模(?)だったのは、松葉の観音堂で行われていた祭礼で、これから餅まきなども始まる気配でした。私の住んでいる鎌倉の郊外でも、上棟祭などでは普通サイズのお餅が撒かれますが、ここのお餅は、なんと直系30センチ以上はあろうかという巨大なもの。かつてはその倍の大きさがあり、櫓から投げ落とされるそれを拾おうとして、とうぜん怪我をする人もあったとか。以前は受け取り方の技術も〈娯楽〉として伝承されていたのでしょうし、怪我人が出ること自体も重要だったのでしょうが、現在は危険だということで小型化。それでも30センチ強なのですから、地域の皆さんの思い入れの強さが感じられます。
写真は、宿からあらぎ島へ歩く途中で出会った、ご自宅の巨木の仏像・五輪塔に、初午のお供えをする方々。よく確かめられませんでしたが、お地蔵さんみたいにみえるのは、もしかしたら馬頭観音かも分かりません。五輪塔の火輪=笠にも赤い前かけが付けられているのが、なんとも微笑ましいですね。民俗畑の蘇理さんや藤井さんが気楽に声をかけ、お話をされるのに、こういうとき、歴史学者は一歩ひいてしまいます。巨木との関係が何かあるのか知りたかったのですが、「なぜここにお詣りするのか分からない。子供の頃からずっとやってるから」とのこと。代々この家に暮らしてこられた方々は、お地蔵さんに何を語りかけてきたのでしょう。知られざるたくさんの物語りが聞こえてくるようでした。
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