く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<川上村・滝2題> 蜻蛉の滝と不動窟鍾乳洞・不動の滝 

2014年09月03日 | 旅・想い出写真館

【「蜻蛉」はアブに刺された雄略天皇のトンボ伝説から】

 奈良県の東南部、大台ケ原の北西に位置する川上村。吉野川(紀の川)の源流域に当たり、今月5~7日には全国の源流に位置する町村が一堂に会す「第5回全国源流サミット」が開かれる。さらに11月にはこの山村を舞台に「第34回全国豊かな海づくり大会~やまと~」の放流・歓迎行事も開かれる予定。好天の2日、その川上村を探索した。

 

 最初に訪れたのは「蜻蛉(せいれい)の滝」。国道169号の五社トンネルを抜けて右折すると「あきつの小野公園」がある。滝はその公園内の石段を5分ほど登った所にあった。落差約50m。「ゴォー」という大音響を上げて一気に流れ落ちる。前日雨が降ったこともあって水量が豊富。上から見下ろすと、しぶきが光に反射してかすかに虹色に輝いていた。説明文にも「飛沫が太陽に映じて常に虹をつくっていることから、この付近は一名虹光(にじっこう)といわれている」とあった。

 

 滝の名は雄略天皇が狩りのため行幸した時の蜻蛉(トンボ)伝説にちなむ。天皇の肘に吸い付いた1匹のアブを、どこからともなく飛んできたトンボがかみ殺した。天皇はそのトンボをほめたたえ、この地を蜻蛉野(あきつの)と呼ぶように。それにちなんで滝も「蜻蛉の滝」と名付けられた。螺旋階段を下ると、真正面に滝の中ほどが現れた。見下ろすと、滝は2段になっていた(上の写真㊨)。この滝は万葉集に登場し、松尾芭蕉や本居宣長ら著名な文人墨客も訪れたという。

 次に向かったのは奈良県の天然記念物にも指定されている深さ140mの「不動窟鍾乳洞」。169号を南下し柏木トンネルを越えた吉野川沿いにある。管理するのは「喫茶ホラ!あな」という飲食店。料金500円を払って階段を下り洞窟内へ。中は薄暗くて通路は狭く天井も低い。時々頭をぶつけながら進む。中ほどまで来ると石灰岩の上に不動尊が祀られ、その左手に大飛瀑「不動の滝」があった。岩の間を白く泡立った水が激しい勢いで下る。そのすさまじいばかりの轟音が洞窟内に響き続けていた。(下の写真㊨)。

 

 洞窟内はひんやりしており、滝のそばに置かれた温度計は14度を示していた。後でうかがった喫茶の女性によると、年中11~14度で夏は涼しく冬は暖かいという。「三途の川」と名付けられた川沿いを通り、「胎内潜り」という狭い通路を中腰になって抜けると「奥の院」という広場に出た。ここが終点。ゆっくり歩いて往復約30分の洞窟巡りだった。この不動窟は大峰登山の裏行場として名高く、学術的にも極めて貴重という。

              


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« <サギソウ(鷺草)> 優雅... | トップ | <BOOK> 「植物の奇妙な生... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿