く~にゃん雑記帳

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<奈良市美術館> 昭和館巡回展「くらしにみる昭和の時代」

2023年06月20日 | メモ

【同時開催「奈良を観る~写真で振り返る昭和時代」】

 奈良市美術館(奈良市二条大路南「ミ・ナーラ」5階)で、国立の博物館「昭和館」(東京・九段)の巡回特別企画展「くらしにみる昭和の時代」が開かれている。昭和館は戦中・戦後に国民が経験した労苦を後世に伝えることを目的に1999年に開設された。日本遺族会が運営を受託しており、2001年からほぼ年2回、全国各地で巡回企画展を開いてきた。奈良展の会期は6月24日まで。奈良市・奈良市美術館主催の「奈良を観る~写真で振り返る昭和時代」も同時開催中。(写真は奈良市美術館が入っている「ミ・ナーラ」)

 企画展は「戦時下のくらし~日中戦争・太平洋戦争の時代」と「戦後復興のあゆみ~占領期から高度経済成長期の時代」の2部で構成する。第1部でまず目を引いたのが「日の丸寄せ書き」と「千人針」。いずれも三重海軍航空隊奈良分遣隊に配属された男性に贈られたものという。「家庭用米穀通帳」や「陶製アイロン」、子どもが戦争ごっこで被った「おもちゃの鉄兜」などもあった。「防空服装」はマネキンに防空頭巾や肩掛けかばん、モンペを着用させ立ち姿で展示。

 戦時中にはガソリン不足から昭和12年(1937年)から代用燃料として木炭や薪が使用されるようになり、昭和16年(1941年)には金属類回収令が出された。こうした背景の中で奈良に登場した木炭バスや王寺町での金属供出など当時の写真も展示中。橿原神宮での女学生の勤労奉仕や奈良女子高等師範学校(現奈良女子大学)での防空演習を撮った写真も展示されている。

 第2部で展示中の実物資料の中に「闇市の食事 残飯シチュー」があった。進駐軍から払い下げられた残飯を大鍋で煮込んだもので、中に煙草の包み紙などが混入していたこともあったそうだ。他には「黒塗り教科書」や「布製グローブ」など。戦後ラジオドラマとして人気を集めた『鐘の鳴る丘』の映画ポスターも掲示されていた。展示写真には「ララ(アジア救済連盟)救援物資の衣服を受け取った孤児たち」「接収時代の奈良ホテルのレストラン」なども。

 戦時中、奈良帝室博物館(現奈良国立博物館)は東京帝室博物館(現東京国立博物館)から疎開してきた334点の文化財を受け入れたという。昭和20年(1945年)に入ると東大寺の大仏殿は空襲を避けるため偽装網で覆われ、法隆寺や中宮寺などの仏像は山間部の寺院や民家の蔵に移された。同時開催中の「奈良を観る」の展示写真の中に、入江泰吉がその年の11月、東大寺法華堂の仏像が避難先の正暦寺から戻ってきた様子を収めた写真もあった。巡回企画展は今年12月、仙台市でも開催の予定。


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