【大正時代に渡来、和名はハナゾノツクバネウツギ】
スイカズラ科アベリア属(ツクバネウツギ属)の半落葉低木。同属の植物はアジアやメキシコなどに30種ほど分布するが、わが国で単にアベリアというときは「ハナゾノツクバネウツギ」(別名ハナツクバネウツギ)を指すことが多い。アベリアの名は1810年代に中国で植物の種子や標本を収集したイギリスの医師・植物学者クラーク・エーベル(1789~1826)に因む。
ハナゾノツクバネウツギの学名は「アベリア×グランディフローラ」。交配種を示す「×」が入っているように、この植物は中国原産で落葉性のキネンシス種(和名シナツクバネウツギ)と常緑性のウニフローラ種の交配によって、19世紀中頃イタリアで作り出された。種小名は「大きい花の」を意味する。日本には100年ほど前の大正時代に渡ってきた。
花期が6~11月とほぼ半年に及ぶのが大きな特徴。樹勢が旺盛で強い刈り込みに耐え、暑さ寒さや大気汚染にも強いことから、道路沿いや公園の花壇、生け垣などによく植えられる。花は少しピンクがかった白で、プロペラのように先が5つに裂けた形。ハナゾノツクバネウツギのハナゾノの名前も無数の小花が次々に咲き続け、まるで花園のような様子から。ツクバナウツギは花が落ちた後の萼片が羽根つきのツクバネに、枝葉がウツギ(ウノハナ)に似ていることに由来する。花色が紅色のものや葉に斑が入った園芸品種などもある。
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