【15年前ひょっこり出芽、今や高さ6mにも】
我が家のヤマザクラがようやく開花を始めた。鳥が種を運んだのだろうか、15年ほど前に庭の片隅からひょっこり芽を出した。その後、見る見るうちに成長し、今では2階の屋根に達するほど。4~5年前から花を付け始め、毎年4月下旬から5月のGW前後にかけて咲き続ける。
ソメイヨシノはまず花が咲き満開を過ぎて葉が出る。一方、ヤマザクラは花と同時に赤みがかった若葉が出る。白い5弁花で直径2~3センチ、1カ所から2~5個の花が散房状に咲く。桜の中では寿命が長く大木になるそうだ。狭い庭の中でこの桜の行く末が心配。ヤマザクラの仲間に大島桜、大山桜、霞桜など。「いにしへの奈良のみやこの八重ざくら けふ九重ににほひぬるかな」(伊勢大輔)の和歌で有名な「奈良八重桜」は霞桜が重弁化した変種といわれる。
関西でヤマザクラといえば吉野山。「下の千本」から「奥の千本」まで数万本の桜が次々に咲き続ける。主に桜の原生種シロヤマザクラで、この桜は他の桜と交配しやすいのが特徴。吉野の桜の記述は紀貫之によって書かれた「古今和歌集」(905年)の序文が初出という。
吉野山保勝会理事長の福井良盟さんは「吉野にとって一番の恩人は歌に詠んで桜の名所として不動のものにしてくれた西行法師、次いで諸大名を引き連れて花見をした豊臣秀吉」と話していた。西行は桜の歌を230首も詠んだそうだ。西行「吉野山こずゑの花を見し日より 心は身にもそはずなりにき」、秀吉「とし月を心にかけし吉野山 花の盛りを今日見つるかな」。
福井さんによると、サクランボの種は不思議なことに、親の桜の木の下では絶対に芽を出さないという。また吉野ではカラスを大切にしているそうだ。カラスが種をよそに運んでまいてくれるからというのがその理由。
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