く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<小倉昭和館> 旦過市場の大火災で焼失した老舗映画館

2022年08月13日 | メモ

【10年前ふらっと入って観た『ローマ法王の休日』】

 北九州市に帰省したとき、時間さえあれば立ち寄る市場がある。若松の「ゑびす市場」や小倉の「旦過(たんが)市場」など。昔と変わらないレトロな風景が懐かしく「帰ってきた」との思いを新たにできるからだ。以前、旦過市場を訪れ周辺を歩き回っていたとき小さな映画館に出合った。「えっ、こんな所に映画館?」。上映中のタイトルの一つに『ローマ法王の休日』とあった。オードリー・ヘップバーン主演の『ローマの休日』をもじったようなタイトルについ導かれて館内へ。確か10年ほど前の2013年のことだった。以来、その映画館「小倉昭和館」のことはすっかり忘れていた。今回の旦過市場の大火災による焼失までは……。(写真は2016年7月に旦過市場で)

 旦過市場は小倉の中心商店街魚町銀天街の延長線上にある古い市場。青果・鮮魚・惣菜などの小さな店が軒を連ね「北九州の台所」として親しまれてきた。ところが今年に入って相次ぎ火難に襲われる。まず4月に新旦過横丁付近から出火し42店を焼失。このとき小倉昭和館はどうにか延焼を免れた。だが、つい先日8月10日夜の火災で猛火にのみ込まれ無残に焼け崩れた。わずか4カ月に2度の「まさか」の大惨事だった。

 小倉昭和館は1939年創業。今月20日には創業83年を記念したイベントも企画していたという。同館は福岡県出身の故高倉健さんをはじめ多くの俳優とも交流があり、手紙やサインなどが残されていた。それらも全て焼失してしまった。今回の火災に伴う報道で昭和館がいかに多くの映画ファンに愛されていたかがよく分かった。同館が苦難を乗り越えて再起し、良質の映画をまた提供してくれる日が訪れることを心から願うばかりだ。

 今回の火災では出火から鎮火までに22時間も要した。焼失面積は前回とほぼ同じ広さの約2000㎡、焼損店舗も約40店に及ぶ。市場を南北に貫くアーケード東側の店舗も被災した。6年前に撮った上の写真の右側中央に「大學堂」という看板の店が見える。ここは地元の大学生たちが運営する交流スペースだが、ここを含め十数店舗が焼損したという。(P.S. 今回の火災での焼失面積は後に3300㎡、焼損店舗は45店と判明。また「大學堂」の1階店舗部分はどうにか延焼を免れていたことも分かった)

 映画『ローマ法王の休日』はその気がないのに選挙で法王に選ばれた枢機卿が失踪してしまうという痛快なコメディーだった。改めてネットで検索すると、イタリア・フランスの2011年の合作映画で、日本では2012年に公開されている。小倉昭和館が二番館だったため翌13年の上映になったのだろう。確か2本立てで、もう1本はロバート・レッドフォードが監督を務めた米国映画『声をかくす人』だったはずだが、残念ながら内容をよく思い出せない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする