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く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ウンカリーナ> 別名「シャンプーの木」

2021年06月05日 | 花の四季

【マダガスカル原産、「ライオン殺し」の異名も】

 アフリカ東南部沖のインド洋に浮かぶマダガスカル島は野生生物の固有種の宝庫といわれる。このゴマ科の落葉樹ウンカリーナもその一つ。ウンカリーナ属の植物はこれまでに20種ほどが確認されている。学名Uncarinaの語源は鉤(かぎ)や釣り針を指すラテン語の「uncus(ウンクス)」。ウンカリーナの仲間に鉤状の突起物を持つ果実を付けるものがあることによる。それらの種には「ライオン殺し」という怖い名前も付けられている。

 ウンカリーナは葉を水にしばらく漬けた後揉むと、滲み出す粘液がシャンプー代わりになるとして「シャンプーの木」とも呼ばれている。花は先端が5つに裂けた筒状の合弁花で、一見ペチュニアの花姿に似た雰囲気。花の色は黄やオレンジのものが多い。黄花系統の代表種にロエオエスリアナ(写真、ルーズリアナとも)、グランディディエリ、デカリーなど。このほかには白花種のレプトカルパ、紫花のステルリフェラなどがある。樹高は1mほどの低木から7m以上になる小高木まで様々。

 このうち「ライオン殺し」の異名を持つのはグランディディエリやデカリー。木質の果実に鉤状の返しがある長い棘が付いており、動物の足や体毛に絡み付くことで種子は遠くまで運ばれる。これが分布域を広げるためのこの植物の生存戦略だ。棘が一度刺さると百獣の王ライオンでさえなかなか抜けず致命傷になることもあるとして、こう呼ばれるようになった。ただ「ライオンゴロシ」という正式な和名を持つ植物は別にある。同じゴマ科でも別属の「ハルパゴフィツム・プロクムベンス」(アフリカ南部原産)。この学名そのものが「逆さに曲がった大きな棘のある植物」を意味し、英名でも「デビルズ・クロウ(悪魔の鉤爪)」と呼ばれている。

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