【漢字は「大紅合歓」、英名は「レッド・パウダーパフ」】
南米のボリビアやペルーなどに自生するマメ科ベニゴウカン属(カリアンドラ属)の常緑低木。花姿がネムノキ(合歓の木)に似た紅色で、メキシコ原産のベニゴウカン(紅合歓)より大きいことから「オオベニゴウカン(大紅合歓)」の和名が付けられた。沖縄では街路樹や庭園木として広く植樹されており、12月から翌年の4月頃まで咲き続ける。
属名の「カリアンドラ」はギリシャ語の「カロス」(美しい)と「アンドロス」(雄しべ)の合成語。花径は5~10cmほどで、濃い紅色の雄しべが中心部から放射状に長く突き出す。その花姿がふわふわの化粧用パフに似ていることから、英名では「レッド・パウダーパフ」と呼ばれる。「アカバナブラシマメ」という別名も。
カリアンドラ属の植物は南米や西アフリカ、インドなどに約200種分布する。いずれも赤や紫、白などカラフルで長い雄しべを持つ。その中で広く栽培されているのがこのオオベニゴウカン。そのため単に「カリアンドラ」といえばオオベニゴウカンを指すことも。その園芸種に白花の「シロバナオオベニゴウカン」もある。
ベニゴウカンの花径は3~5cmほどで、葉の形はネムノキやオジギソウにそっくり。「緋合歓」と書いて「ヒネム」や「ヒゴウカン」とも呼ばれる。同じマメ科の近縁種に濃い黄花を付ける「キンゴウカン(金合歓)」や白い花を付ける「ギンゴウカン(銀合歓)」も。それぞれ「キンネム」「ギンネム」ともいわれる。