く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<創作押し花作家・亀井園子さん> 橿原ロイヤルホテルで作品展「自然からの贈り物」

2013年11月27日 | 美術

【数々の受賞作に加え教室受講生の作品も、30日まで】

 奈良県高取町在住の創作押し花作家・亀井園子さんの作品展「自然からの贈り物・平和へのメッセージ」が奈良県橿原市の橿原ロイヤルホテルで開かれている。その作品は草花に加え野菜や果物も使った押し花に、草木染なども組み合わせた独創的なもの。海外での評価も高く、この9月には作品がアートタイル(陶板)としてパリの美術館に永久保存されることになった。作品展には亀井さん主宰の押し花教室「長園(おさぞの)」の受講生の作品も並ぶ。30日まで。

   

 亀井さんの作品は今春のブログ(3月6日付)でも一部紹介させてもらったが、改めてご経歴を拝見すると、その華やかな受賞歴は目をみはるばかり。欧州文化芸術褒賞、アントニオ・ガウディ芸術大賞、フランス「美の革命展」でルーブル・グランプリ賞とトリコロール芸術平和賞、カラヤン生誕100周年記念楽譜の表紙デザインへの採用……。今年4月にはゴッホ生誕160周年を記念した「永遠のひまわりシャンパン芸術創生賞」にも選ばれた。

 今回パリのベルシー美術館に永久収蔵されることになったのは「Parisアートタイル至宝祭」で芸術栄冠金賞を受賞した「万物のめぐみ~四季のうつろい」と題した作品(上の写真)。志貴皇子が春の到来を喜び詠んだ歌を草木染にし、その回りに桜などの草花やイチゴ、ミカンなどを配している。「石ばしる垂水のうえのさわらびの もゑいづる春になりにけるかも」。その流麗な書もなかなか味わい深いが、これも亀井さんの自筆という。作品展には美術館の永久収蔵証明書と共に収蔵品と同じアートタイルも展示されている。

 

 ゴッホの「ひまわり」に着想を得て創作し「シャンパン芸術創生賞」を受賞した作品(上の写真㊧)は、ヒマワリ柄の藍染の回りをミニヒマワリの花などで飾ったもの。特別醸造されたシャンパンのラベルにも採用された。このほか「世界遺産富士山―早春賦」や「爽風」「天の香具山―豊穣の初秋」、鳩をモチーフにした「平和へのメッセージ―オブジェ」――なども出品している。

 「世界遺産富士山」(上の写真㊨=部分)は扇面の中に富士山と湖面に映る富士を描いたもの。山腹にはシロタエギクの葉などを配した。「爽風」(下の写真㊧=部分)はメロンの皮を花篭に見立て、ユキヤナギやスノーボールの花、イチゴ、ツクシ、輪切りにしたオクラ、アスパラガスなどで飾り立てた。イチゴは半切りにし中身を食した後、乾燥させたとのことだが、その艶々した色は新鮮そのもの。押し花にありがちな平板なものではなく、立体感にあふれているのも亀井さんの作品の大きな特徴だ。(下の写真㊨は「天の香具山―豊穣の初秋」=部分)

  

  亀井さんが素材として使っている草花は「ほとんどが自宅の裏の畑で栽培しているもの」。藍染のアイも毎年育てているそうだ。会場には自作のアートフラワーや微妙な色のグラデーションが美しい草木染のコースターなども並ぶ。11月13日に傘寿を迎えたばかりの亀井さんが目指すのは〝光輝高齢者〟という。次は「自然からの贈り物」を使って、どんな魅力的な作品を紡ぎ出してくれるのだろうか。

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